逆走車との衝突事故における過失割合とその判断ポイント

交通事故の中でも、逆走してきた車との正面衝突は非常に危険で、重大な損害につながることがあります。このような場合、被害者側が抱く疑問のひとつが「過失割合はどうなるのか?」という点です。本記事では、逆走車と衝突したケースにおける過失割合の基本的な考え方や、状況ごとの変動要素について解説します。

基本的な過失割合の考え方

逆走事故では、原則として逆走した車に重大な過失があると判断されます。判例や損害保険料率算出機構の「過失割合の基準」では、逆走車が100%責任を負うケースも少なくありません。

たとえば、片側通行の道路を明らかに逆走してきた場合、対向車線を正しく走行していたドライバーには過失がないとされる可能性が高いです。

一時停止のオーバーランがある場合

ただし、質問にあるように「一時停止のオーバーラン」により道路に進入した結果、逆走してきた車と衝突した場合、被害者側にもわずかながら過失が認定されることがあります。

このような場合、過失割合は一般的に以下のような例があります。

  • 逆走車:90%〜95%
  • オーバーラン側:5%〜10%

ただし、どちらの車も明らかに危険運転であった、あるいは視界が確保されていたにもかかわらず注意義務を怠ったなどの事情があると、過失割合が調整されることもあります。

過失割合の算定に影響する要素

過失割合は、単なる逆走・一時停止の有無だけではなく、さまざまな要因をもとに総合的に判断されます。

主な判断材料は以下のとおりです。

  • 事故現場の道路構造(センターラインの有無、片側一車線かなど)
  • 各車両の速度や走行位置
  • 周囲の見通しの良さ、照明の有無
  • ドライブレコーダー映像や目撃証言
  • 警察の実況見分調書

逆走が意図的ではなく、錯誤や道路構造の複雑さによるものと判断されると、若干の過失相殺がされることもあります。

事故後の対応と注意点

逆走車との事故に巻き込まれた場合、まずは警察への通報と、保険会社への迅速な連絡が重要です。ドライブレコーダーを設置している場合は、録画データを保存しておきましょう。

また、相手方が非を認めず過失割合に争いがある場合は、弁護士への相談が有効です。交通事故に強い弁護士を通じて交渉を進めることで、適切な補償を受けることができます。

事例:一時停止後の進入と逆走車の衝突

ある事例では、丁字路の一時停止ラインを少し越えて道路に顔を出した車と、センターラインを越えて逆走してきた車が正面衝突しました。この場合、逆走車に90%、一時停止を越えた側に10%の過失が認定されました。

このように、一見「逆走車が全面的に悪い」と思われるケースでも、こちらの運転行動によっては一部過失がつくこともあるため、慎重な運転が求められます。

まとめ:逆走事故は高い割合で相手が悪いが油断は禁物

逆走による衝突事故では、加害者側に大きな責任が課されるのが一般的ですが、事故時の自車の運転状況によっては過失が認定されることもあります。適切な記録を取り、納得のいく過失割合の交渉を行うためには、交通事故に精通した専門家のサポートを受けるのが安心です。

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