近年、実在する機関を装った詐欺電話が急増しており、「成田空港遺失物係」を名乗る自動音声詐欺もその一例です。何もしていないのに突然電話が来て、不安になった方も多いはず。この記事では、電話での詐欺手口と、もし番号を押してしまった場合の影響や対応策について解説します。
自動音声詐欺の典型的な手口とは?
詐欺電話は「+1(アメリカ発信)」などの国際番号を使ってかけてくるケースが多く、今回は『+1(877)5383191』という番号が報告されています。「あなたの名前が関係する遺失物が見つかりました」などと信じさせ、番号「1」を押させようと誘導してきます。
このような電話の多くは自動音声(ロボット)で、番号を押すことで人間のオペレーターに繋がるシステムになっています。目的は金銭詐取や個人情報の搾取、または通話を長引かせて高額料金を請求することです。
番号を押しただけで被害はあるのか?
結論から言えば、「1」を押しただけでは金銭的被害やウイルス感染のような即時被害が発生するケースは少ないです。しかし、番号を押すことで“応答可能な番号”と認識され、再びターゲットとして記録される可能性があります。
また、通話がオペレーターにつながった場合、銀行情報やマイナンバー、本人確認情報を巧みに聞き出される危険もあります。実際に「関税が未納」「訴訟準備中」などと脅す手口が確認されています。
もし詐欺電話に出てしまったら?正しい対応
●すぐに通話を切りましょう。相手に一切の情報を伝えないのが基本です。
●その番号をブロックし、着信拒否設定を行うことも効果的です。
●不安が残る場合は消費生活センター(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談を。
また、不審な着信履歴を見かけたら、消費者庁の詐欺電話情報データベースやSNSでの情報検索で、同様の被害報告があるか確認するのも有効です。
今後の防止策:番号非通知・国際番号には注意
不審な国際番号からの着信には注意が必要です。特に「+1」や「+44」などは詐欺に使われやすい傾向があります。電話番号の国コードや発信元を調べられる無料サービスも活用しましょう。
また、スマホには迷惑電話ブロックアプリを入れておくとより安心です。「Whoscall」や「迷惑電話ストッパー」などが人気です。
まとめ:詐欺の手口を知ることが最大の防御策
今回のような詐欺電話に対して、番号を押してしまったとしても、すぐに情報を伝えなければ大きな被害にはつながりません。ただし、今後もターゲットにされる可能性はあるため、着信拒否や通報を行いましょう。
自分を守るためにも、「知らない番号には出ない」「番号を押さない」「個人情報は話さない」の3原則を徹底してください。