強風で車のドアが隣の車に当たってしまい、その場から離れてしまった…という状況は、誰にでも起こり得るアクシデントです。冷静さを欠いてその場を離れてしまったとしても、後からでも正しい対応を取ることで、状況を改善できる可能性があります。この記事では、そのようなケースでの対応方法や、法的なリスク、免許停止などの可能性について詳しく解説します。
強風でドアが当たった場合の扱いは「事故」
車のドアが強風など自然現象によって開いて他車に接触した場合でも、「交通事故」として扱われます。たとえ意図的でなくても、運転者には安全確認義務があり、損害を与えた場合は過失が問われます。
ドアの開閉による接触は「開けた側」の責任が問われるため、風の影響があったとしても過失割合はゼロにはなりません。
事故現場を離れたことの法的な扱い
事故を起こしたにも関わらず、相手がいないことを理由に連絡先を残さずその場を離れた場合、「当て逃げ(物損事故でのひき逃げ)」と見なされることがあります。刑法上の重大な犯罪ではありませんが、道路交通法に基づいて「報告義務違反」や「事故後不申告」などに該当する可能性があります。
罰則としては「反則金の納付」や「違反点数の加算(3~5点程度)」があり、過去に違反歴がある場合は免停の可能性もあります。
後日でも警察に申し出ることは可能
事故から時間が経過していても、自ら警察に申し出ることで「報告義務を果たした」と見なされる場合があります。放置して相手方からの通報によって発覚した場合よりも、自主的な申告の方が警察の印象も良く、処分が軽く済むことがあります。
できるだけ早く、最寄りの警察署または交番で「物損事故があったこと」「その場から離れてしまったこと」「現時点でも連絡したい意志があること」を伝えましょう。
免許停止や逮捕の可能性について
事故の程度やその後の対応によりますが、ドアミラーに軽く当たった程度の物損事故で、人身事故や酒気帯び運転が絡んでいない場合、「逮捕」のリスクは極めて低いです。また、初犯で誠意ある対応を行えば、免許停止に至る可能性も低くなります。
ただし、「逃げた」という事実がある場合、警察の判断によっては違反点数が加算され、行政処分(免停など)を受ける可能性があるため、真摯に対応することが重要です。
保険や示談についても検討を
相手の車に傷がついていた場合、自動車保険(対物保険)で修理費用をカバーできる可能性があります。事故届を出していないと保険会社が対応を断るケースもあるため、保険を使いたい場合も警察への報告は必須です。
警察への届出が完了した後は、保険会社に連絡して対応方針を相談しましょう。任意保険に「弁護士特約」が付いていれば、トラブルが大きくなる前に弁護士に相談するのも有効です。
まとめ:逃げてしまっても、早めの対応が被害を最小限にする
事故現場を離れてしまったとしても、自ら警察に連絡し、誠意を持って対応することで処分が軽く済む可能性はあります。風でドアが開いてしまったような「不可抗力」に近い状況であっても、ドライバーとしての注意義務が問われるため、決して放置せず早めに動きましょう。
事故の事実と向き合い、必要な手続きをきちんと行うことが、免許や社会的信用を守る第一歩となります。