自転車と車の接触事故で過失割合はどう決まる?物損扱いでも注意すべきポイントとは

狭い道路や渋滞中など、車と自転車が接近する場面では、思わぬ接触事故が起きることがあります。今回のように、自転車側の無理なすり抜けによって車のサイドミラーが接触してしまった場合でも、車側に一定の過失が問われる可能性があります。本記事では、自転車と車の接触事故での過失判断や警察対応、物損・人身の切り替えなど、知っておくべき実務上のポイントを解説します。

接触事故における基本的な過失割合

交通事故では、道路状況や当事者の動き、法令順守の有無などに応じて過失割合が判断されます。自転車が車の左側をすり抜ける形で接触した場合、自転車側の過失が大きいとされる傾向にありますが、車両側にも「周囲の安全確認不足」などの過失が一定割合で認定されることが少なくありません。

具体的には、自転車側が「狭い空間を無理に通過した」ことが事故の主因とされる一方で、自動車側が「左側の状況を確認していれば事故は防げた」という判断もあり得るため、例えば「自転車7:車3」などの割合が示される可能性もあります。

物損事故と人身事故の違いに注意

今回のように事故直後はけが人がいないと確認されると「物損事故」として処理されます。しかし、後日相手が「首が痛む」などと医療機関にかかり、診断書を提出した場合、「人身事故」に切り替わる可能性があります。

人身事故扱いになると、運転者には行政処分(点数加算や反則金)や刑事責任(過失傷害など)のリスクが発生することもあります。事故直後に「大丈夫」と言われても、必ず相手の名前や連絡先を控え、可能なら警察を呼びましょう。

ドラレコの提供は重要な証拠

事故状況を客観的に証明する手段として、ドライブレコーダーの映像は極めて有効です。すでに警察にドラレコを提出している場合、相手の進路、速度、接触位置、音声などから過失の所在を明確にできる可能性があります。

映像の保存期間は限られているため、事故があった場合はすぐに該当ファイルをバックアップしておくことをおすすめします。

示談や保険対応の進め方

物損事故で終わる場合でも、車に傷があった場合は自動車保険(車両保険)の使用を検討できます。ただし、使用すると翌年の等級が下がるため、修理費用と保険料の差を見て判断すべきです。

また、相手が逃げようとした場合は「当て逃げ」に該当する可能性もあるため、警察の調書が重要になります。相手の連絡先や言動など、可能な限り記録しておくと後の交渉に役立ちます。

「自転車側に明らかな過失」があっても油断は禁物

たとえ相手が「明らかに無理な運転」をしていても、車側にも一定の注意義務があると判断されがちです。特に狭い道路や渋滞中の走行時は、車両側により強い「安全確認義務」が課される傾向があり、完全な無過失とはなりにくいのが現状です。

そのため「明らかに相手が悪い」と思っても、冷静に証拠を残し、保険会社や警察の判断を待つことが大切です。

まとめ:事故後の対応次第でリスクは大きく変わる

自転車との接触事故では、状況に応じて車側にも過失が問われる可能性があるため、事故後の対応が非常に重要です。警察への通報、ドラレコの提供、相手の身元確認、保険会社への相談など、適切な対応を行うことでリスクを最小限に抑えることができます。

不安がある場合は、自動車保険に付帯する弁護士特約の活用や、専門の交通事故弁護士への相談も検討しましょう。

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