保護士として活動したいという強い想いを持って応募しても、なぜか審査に通らなかった――そんな経験をされた方も少なくありません。この記事では、保護士の選考に落ちる理由や、再チャレンジに向けて準備しておくべきポイントについて解説します。
そもそも保護士とは？
保護士とは、保護司とは異なり、主に保護観察対象者や仮釈放者などの更生支援を行う法務省所管の民間ボランティアです。報酬はなく、地域社会に根差した社会貢献活動の一環として担われています。
選任は法務省（具体的には地方法務局）の審査を経て行われ、人格・識見・地域との関係性などが重視されます。
保護士に選ばれない主な理由
保護士はボランティアとはいえ、国の制度に基づく公的な役割を持つため、厳格な審査があります。以下のような理由で不採用となる可能性があります。
- 推薦者の不在や推薦内容の不備：保護士は通常、地域の保護司会や民生委員からの推薦が必要です。推薦が形式的だったり、推薦者との信頼関係が薄いと通りにくい傾向があります。
- 地域ニーズとのミスマッチ：保護観察対象者の多い地域ではニーズが高い一方、既に十分な保護士がいる地域では新たな任命が控えられることも。
- 年齢や健康状態：活動にはある程度の体力・外出能力が求められるため、高齢や持病などが懸念材料になる場合があります。
- プライバシー保持や守秘義務への理解不足：対象者の個人情報を扱うため、秘密保持への意識も見られています。
前科がなくても不合格になる可能性
「前科がないのに落ちた」という声は少なくありません。実際、保護士審査では前科の有無よりも地域との信頼関係や支援意欲の表現方法、推薦者の評価などが大きく影響します。
また、面談や推薦書において「熱意はあるが具体性に欠ける」「対人援助経験が少ない」などと判断されると、不合格となることもあります。
再応募や今後の対策について
落選したからといって諦める必要はありません。以下のような対策で再チャレンジの可能性は十分あります。
- 地域の保護司会や社会福祉協議会との関係構築：信頼関係が重要です。地域の活動に参加して顔を覚えてもらうことから始めましょう。
- 福祉や更生支援に関わるボランティアを経験：実績や経験は審査時の大きなアピールになります。
- 推薦者にフィードバックをもらう：不合格の理由が明かされない中、推薦者や地方法務局の担当に相談すれば、今後の改善点が見えるかもしれません。
不合格理由は教えてもらえないのが一般的
保護士の審査結果については、通常、不合格理由を開示されません。これは個人情報や審査の公正性を守るための措置であり、やる気の有無に関係なく、客観的な基準で総合判断されていると考えられます。
ただし、丁寧に相談すれば「推薦書の内容」「地域の充足状況」など、ヒントとなるような助言をもらえる場合もあります。
まとめ：地域貢献の意志を活かす道は他にもある
保護士は社会貢献として意義深い役割ですが、選ばれなくても落胆する必要はありません。自治体やNPO団体など、地域で活躍できる場は他にもたくさんあります。
本気で更生支援に関わりたいなら、他の支援制度や福祉ボランティア、地域活動から実績を積み上げていくことが、最終的には保護士としての再選考にも繋がります。やる気があるあなたの力を必要とする場所は、必ずあります。