近年、InstagramなどのSNSを利用したなりすましや嫌がらせ被害が増加しています。被害に遭った場合、アカウントを即時に削除できるのか、加害者の特定は可能なのか、不安に思う方も多いでしょう。この記事では、弁護士や警察に相談した際の対応や、実際にどのような法的手続きがとられるかについて詳しく解説します。
Instagramのなりすまし・嫌がらせとは何か
Instagramでのなりすましは、本人の許可なく名前や画像、プロフィールを模倣してアカウントを作成し、他者に誤解を与える行為です。また、嫌がらせは、DM(ダイレクトメッセージ)や投稿、タグ付け機能を使って精神的苦痛を与えるような投稿を繰り返す行為などが該当します。
これらの行為は、プライバシー権侵害や名誉毀損に該当する可能性があります。特に悪質な場合、刑事事件に発展することもあります。
弁護士や警察に相談した場合の対応
被害に遭った場合、まずは証拠を保存しましょう。スクリーンショットやURL、発信時刻など、加害者の行動を証明できる情報が重要です。次に、弁護士に相談することで、Instagram運営会社に対してアカウント削除の申し入れや、開示請求の準備ができます。
警察に相談した場合は、犯罪として取り扱うかどうかの判断がされます。ストーカー規制法や名誉毀損、脅迫などに該当する場合、刑事告訴の手続きが可能となることがあります。
Instagramのアカウント削除はすぐ可能か?
Instagramの利用規約に違反していると判断された場合、Instagramのヘルプセンターを通じて報告することでアカウントは削除または停止されることがあります。
しかし、法的な削除要請には証拠と正当な理由が必要です。運営側が独自に判断するため、削除の即時性や確実性は保証されません。弁護士を通じた正式な要請は、より迅速な対応を引き出す場合があります。
加害者の特定や開示請求はできる?
アカウントが削除されていても、通信記録(IPアドレスなど)は一定期間保存されていることが多く、開示請求により発信者の特定が可能なケースもあります。
具体的には、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を行うことで、Instagram側や接続プロバイダに対して情報開示を求めることができます。これには弁護士の支援が必須で、訴訟手続きが必要な場合もあります。
実際の対応例
たとえば、AさんがInstagramで偽アカウントを作成され、本人になりすまして不適切な内容が投稿されたケースでは、弁護士を通じて速やかにInstagramへ削除依頼を提出。その後、開示請求により発信者のIPアドレスが判明し、プロバイダから住所・氏名が開示され、民事訴訟で損害賠償が認められた例があります。
このように、正しい手順と法的支援があれば被害者は救済される可能性が高いと言えます。
まとめ:冷静に証拠を確保し、専門家に相談を
Instagramでのなりすましや嫌がらせに遭った場合、感情的に対応せず、まずは証拠を確保することが大切です。その上で、弁護士や警察に相談し、法的な削除要請や開示請求の手続きを踏むことで、加害者の特定や問題の解決につながる可能性があります。
SNS上のトラブルは拡散力も高く、迅速な対応が求められます。不安な場合は、早めに法律の専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。