整体やエステなどでの高額な前払いコース契約は、急いで決断してしまうと後悔につながるケースがあります。とくに精神的に不安定な状態で契約した場合、「解除したい」と思ってもどうしてよいかわからないことも。本記事では、精神的な病気の診断書による契約解除の可能性や、具体的な対応策について解説します。
📌 前払いコース契約は原則キャンセル不可?
整体などのサービス契約は、特定商取引法や消費者契約法の適用対象になるケースと、ならないケースがあります。継続的役務提供に該当しない場合は、原則としてクーリングオフの対象にはなりません。多くのサロンでは「契約後のキャンセルは不可」と定めているのが一般的です。
しかし、契約時の状況に問題があった(強引な勧誘、威圧、体調不良による判断能力の欠如など)場合は、契約の無効や取り消しが可能となることもあります。
🩺 精神的な病気の診断書で解除できる可能性
契約書に「身体的病気による通院不能」や「引っ越し」が中途解約の条件と記載されている場合でも、精神的な疾患も診断書があれば認められる可能性があります。具体的には、うつ病や不安障害などが該当し、医師が「通院に支障がある」と明記した診断書が重要な証拠になります。
特に、契約が原因で吐き気・不眠・不安などの症状が悪化している場合は、体調面の悪化を根拠として解約の交渉を行う余地があります。
✉️ 実際の対応ステップ
- かかりつけ医に相談し、診断書をもらう
- 診断書を添付した上で、契約解除の意向を文書(内容証明郵便など)で伝える
- 交渉が難航する場合は、消費生活センターに相談
「契約時に強く勧誘されて断れなかった」「心理的に正常な判断ができなかった」ことも、主張ポイントとして記載しましょう。
⚖️ 消費者契約法や民法に基づく解除可能性
消費者契約法第4条により、威迫や不実告知があった場合は契約の取り消しが可能とされています。また、民法上でも意思表示に瑕疵(錯誤、詐欺、強迫など)があった場合には契約は無効や取り消しの対象になります。
契約時の状況が「帰してもらえない」「精神的に追い詰められた」状態だったならば、法的に解除を求められる根拠となり得ます。
🔍 クレジットカード会社への相談も有効
支払いにクレジットカードを使用していた場合、支払い停止の抗弁権(割賦販売法)を使える可能性があります。この制度により、契約に問題があると認められれば、クレジット会社に支払いを止めてもらうことが可能です。
まずは契約書と状況の経緯をまとめ、カード会社のサポート窓口に相談してみましょう。
✅ まとめ:精神的事情でも諦めない
整体の前払い契約であっても、精神的疾患や契約時の強引な勧誘があった場合、解除の余地は十分にあります。診断書・契約書・経緯の記録などを揃え、冷静に書面で交渉することがポイントです。
一人で対応が不安な場合は、消費生活センターなどの公的機関に相談し、適切なアドバイスを得ることも大切です。心身の健康を第一に、無理のない対応を進めていきましょう。