人身事故で免許取消になるケースとは?骨折事故や過失割合と処分の違いを解説

交通事故の中でも「人身事故」は刑事・民事・行政の3つの責任が発生する重大な事案です。特に免許の停止や取り消しといった行政処分については、その内容や過失の程度、事故後の対応によって大きく異なります。本記事では、事故の過失が加害者側に大きくあったとしても、必ずしも免許取り消しになるとは限らない理由や、骨折などの負傷があった場合の処分内容について詳しく解説します。

行政処分の対象となる人身事故の分類

運転免許の取消や停止といった行政処分は、警察が事故の調書を作成し、最終的に「公安委員会」が決定します。その判断材料としては主に以下の3点が重視されます。

  • 違反の種類(スピード違反、信号無視、飲酒運転など)
  • 被害者の負傷程度
  • 加害者の過失割合や情状

このうち被害者が「治療期間15日以上30日未満の傷害」程度であれば、加害者に悪質な違反行為がなければ「免許停止」処分にとどまるケースが多く見られます。

被害者が骨折を負った場合の処分は?

骨折は「重傷事故」として扱われ、違反点数は通常13点が加算されます。これにより、免許停止処分(60日~180日)が科される可能性がありますが、免許取消にはなりません。

ただし、事故が「重大違反事故」とみなされる場合(たとえば、過去3年以内に複数の重大違反があったなど)や、事故後に適切な措置を怠った場合(ひき逃げ等)には、免許取消が科されることがあります。

免許取消に至る主なケースとは?

以下のようなケースでは、免許取消処分が下されることがあります。

  • 飲酒運転や薬物使用運転を伴う事故
  • ひき逃げ(救護義務違反)をした場合
  • 再犯性が高い(過去にも重大事故・違反歴あり)
  • 過失の度合いが極めて大きい(信号無視や逆走など)

一方で、日常的な不注意や単純な確認不足による事故で、誠意ある対応をしている場合は、厳罰を免れる可能性が高いです。

事故後の対応が処分に与える影響

人身事故を起こしてしまった後の「対応姿勢」も、行政処分の判断材料として非常に重要です。以下の行動が評価されることがあります。

  • 迅速な110番通報と救急対応
  • 警察への協力的な供述
  • 被害者への謝罪と補償
  • 保険を通じた円満な示談成立

これらが評価されることで、点数の加算だけで済み、免許取り消しを回避できる場合も少なくありません。

人身事故後にやるべきこと一覧

行政処分を少しでも軽くするために、次の行動を意識しましょう。

  • 事故状況を正確に記録し、警察に報告する
  • 自動車保険会社に速やかに連絡し、示談対応を進める
  • 診断書などの資料はコピーを取って保管する
  • 加害者として誠実な態度で謝罪・補償に取り組む

任意保険の内容によっては、示談交渉の代行や弁護士費用の補償なども受けられます。保険契約内容も今一度確認しましょう。

まとめ:過失が大きくても一律で免許取消にはならない

結論として、飲酒運転や悪質な違反がなく、事故後の対応も誠実であれば、骨折事故であっても免許取消まで至るケースはまれです。免許停止の可能性はあるものの、公安委員会の裁量や事故の個別事情が加味されて最終判断が下されるため、不安な場合は弁護士や行政書士に相談することをおすすめします。

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