歩道を逆走した自転車と傘の接触事故―過失割合の考え方と対応方法

雨の日のバス停で起きた、自転車との思わぬ接触事故。歩道を逆走してきた自転車と傘がぶつかっただけとはいえ、被害者側にも過失が問われることがあるのか疑問に思う方は多いでしょう。本記事では、こうしたケースにおける過失割合の考え方や対応策について解説します。

歩道の逆走自転車はそもそも違反行為

日本の道路交通法では、自転車は原則として車道の左側を通行することが義務付けられています。歩道走行が認められているのは、13歳未満・70歳以上・身体の不自由な人、あるいは道路標識で自転車通行可となっている場合に限られます。さらに、歩道を通行する場合でも歩行者優先を守らなければなりません。

つまり、歩道を逆走している自転車は違法状態にあるということになり、この点は過失割合において大きく考慮されます。

傘を広げる行為に過失はあるのか

バス停で傘を広げること自体は違法ではありません。しかし、歩行者も公共の場で周囲に配慮する義務があるため、傘を広げる動作が不意だった場合には、注意義務を怠ったとみなされ一部過失が認められる可能性があります。

たとえば、急に手を伸ばして傘を広げた際に接触したような場合は、10〜30%程度の過失が問われることも考えられます。

類似の判例と過失割合の実例

実際の裁判例でも、歩道を通行中の自転車と歩行者の接触事故において、自転車側に70〜90%程度の過失が認定されたケースがあります。歩道を逆走していた、自転車のスピードが出ていた、ベルなどで警告をしていなかったなどが要因です。

一方で、歩行者の動作が不意だったり、不自然な行動があったと認められた場合は、歩行者にも10〜30%の過失が認められたケースもあります。

このような事故が起きた場合の対処法

  • 自転車がその場を立ち去った場合でも、可能であれば写真や証拠を確保
  • 目撃者がいれば連絡先を聞いておく
  • 軽微な事故でも念のため警察に通報して記録を残す
  • けがをした場合は、病院で診断書を取得し、保険会社や弁護士に相談する

その場で謝ってしまうことは多くの人に見られる行動ですが、謝罪=過失を認めたことにはなりません。ただし、感情的にならず冷静なやり取りが大切です。

自転車事故のトラブル防止には保険も重要

自転車側・歩行者側ともに、自転車保険や個人賠償責任保険に加入しておくことで、万が一のトラブルでもスムーズな解決が可能になります。最近では、自転車保険の加入を義務化している自治体も増えています。

自身の身を守る意味でも、日頃からの保険加入やトラブル時の対応マニュアルの確認は非常に重要です。

まとめ:過失割合は状況によるが自転車側の責任は重い

歩道を逆走する自転車と歩行者との接触事故では、原則として自転車側の過失が重くなるのが一般的です。ただし、歩行者の行動によっては一部の過失を問われる可能性もあるため、行動には注意を払いましょう。

今後同じようなことが起きた際には、冷静にその場の状況を記録し、適切に警察や保険に連絡することが、より良い解決への第一歩になります。

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