最近、保健医療局や公的機関を名乗る不審な自動音声電話が増加しています。中には「保険証が使えなくなる」「1を押してオペレーターにつながってください」といった指示があるケースもあり、戸惑う人が少なくありません。本記事では、このような電話が詐欺である可能性と、もし「1」を押してしまった場合にどうなるのか、そして今後の対策について解説します。
📞 保健医療局は自動音声で個人に電話しない
厚生労働省や地方自治体の保健医療局が、自動音声を使って一般市民に個別に電話をかけることは原則ありません。公的機関が連絡を取る際には、文書や公式な通知が基本です。
したがって「自動音声で保険証の停止を警告する」ような電話は、詐欺目的である可能性が極めて高いといえます。
📱 「1」を押したらどうなるのか?通話料金や被害の可能性
この手の詐欺電話で「1」を押すと、海外のサーバーに転送されたり、詐欺グループのオペレーターにつながる可能性があります。ただし、国内の一般的なスマートフォンや携帯電話回線で「1」を押すだけでは、基本的に自分が電話をかけたことにはなりません。
請求が発生するケースは極めて稀ですが、国際電話番号に転送されていた場合や、特殊な通話方式を用いていた場合は、通話料金が発生することがあります。請求の有無は、利用しているキャリアの通話明細で確認可能です。
🛡️ 対処方法:不安なときにすべきこと
- 通話明細を確認し、海外通話や高額通話がないかチェック
- 携帯キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクなど)に問い合わせ、通話内容や料金の発生について確認
- 総務省の「迷惑電話相談窓口」に報告
- 今後の被害を防ぐため、非通知・海外番号の着信拒否設定を有効にする
このような電話を受けた後で、特に異常がなければ過度に不安になる必要はありませんが、念のため明細のチェックをしておくことが安心につながります。
💡 実際にあった詐欺の事例
実際に、「健康保険が停止される」「医療費未納がある」といった名目で、偽のオペレーターに銀行口座番号やマイナンバーを聞き出す詐欺が発生しています。
中には、話している最中に「警察が介入する」と脅しをかけ、個人情報を奪おうとするケースもあります。このような場合はすぐに電話を切り、警察庁の特殊詐欺相談窓口に相談しましょう。
🚫 今後の防止策と心構え
- 知らない番号からの電話は出ない、または留守電にする
- 通話中に「○を押してください」などの指示には従わない
- 不審な電話があった際は、家族や専門機関にすぐ相談
特に高齢の家族がいる場合は、日頃から情報共有し、被害を未然に防ぐ環境づくりが大切です。
✅ まとめ:落ち着いて行動を
自動音声で「保健証が使えなくなる」と言われて不安になるのは当然ですが、このような電話は詐欺であることがほとんどです。「1」を押してしまったからといって、すぐに料金請求や被害が発生するとは限りません。
まずは冷静に、通話履歴や明細を確認し、必要に応じて携帯会社に相談しましょう。そして、同様の被害を防ぐためにも、このような電話の手口を家族や知人と共有しておくことが大切です。