「スマホ契約が乗っ取られた」「東京電力を名乗る男から料金説明に伺います」——近年、こうした悪質な詐欺電話が後を絶ちません。日常的に詐欺電話を受けていると「個人情報が流出しているのでは?」と不安になるのも無理はありません。今回は、詐欺電話の特徴と背景、断り方のポイント、そして本当に気をつけるべきことをわかりやすく解説します。
よくある詐欺電話の手口と実例
最近の詐欺電話は手が込んでいて、あたかも本物の企業や警察、電力会社を装って信じさせようとするケースが増えています。たとえば。
- 「あなたのスマホ契約が勝手に乗り換えられました。2時間後に回線を停止します。」
- 「東京電力です。料金が安くなるために訪問したい。」
- 「警察に被害届を出してください。口座振込が必要です。」
これらはいずれも、緊急性や不安をあおってお金や個人情報を引き出そうとする詐欺の典型パターンです。
個人情報はどこから流出するのか?
詐欺電話が頻繁にかかってくる場合、多くのケースで何らかの名簿業者に情報が渡っている可能性があります。名簿業者は、アンケート・懸賞・資料請求・会員登録などを通じて収集された情報を売買することがあります。
特に「電話に出てしまう」「多少でも相手をしてしまう」ことで、“反応する番号”としてリスト化され、さらに詐欺集団に転売されるリスクがあります。
詐欺電話に対してやってはいけないこと
詐欺電話への対応で避けるべき行動には、以下のようなものがあります。
- 個人情報(住所・口座番号・家族構成など)を口にする
- 感情的になって相手を怒らせる
- 「興味はあるが今は無理」など曖昧な対応
特に怒鳴ったり、攻撃的な口調で対応すると、逆恨みを招いて「夜中の嫌がらせ電話」や「別の詐欺への標的」になることもあります。
安全かつ効果的な断り方とは?
しつこい詐欺電話に対して有効な対応は以下の通りです。
- 通話を録音していることを告げる(録音アプリの使用も推奨)
- 「警察に相談しています」と冷静に伝える
- 着信拒否・迷惑電話フィルターを活用する
- 会話せず、無言で切る
相手を刺激しすぎず、しかし毅然とした態度で対応することがポイントです。「適当に相手をする」ことは、結果的に被害を拡大させてしまう恐れがあります。
迷惑電話対策のために今できること
以下のような予防策を講じることで、詐欺電話被害のリスクを大きく減らせます。
- スマートフォンに「迷惑電話ブロック」アプリを導入する(例:Whoscall、電話帳ナビなど)
- 番号非通知・0120や050番号の着信を制限する
- キャリア提供の詐欺電話対策サービスを利用する(例:docomo「あんしんナンバーチェック」)
- 警察庁提供の「振り込め詐欺対策ページ」を確認する
また、固定電話でも通話録音機能付き電話機の導入が効果的です。
まとめ:詐欺電話には関わらない、反応しない、そして早めに相談を
詐欺電話は「反応した相手」を見極めるための“テスト”でもあります。一度でも話してしまえば、今後さらに多くの詐欺電話がかかってくる可能性があります。
最も安全なのは、出ない・話さない・記録を残すというシンプルな対応です。そして、被害が懸念される場合や不安な場合は、消費者ホットライン(188)や警察に早めに相談することが、自分を守る最善の方法です。