交通事故を起こしたあと、相手方からの直接連絡に戸惑ったり、不安を感じたりする方は多いものです。特に「10対0でそっちが悪い」「慰謝料を払え」など強い口調で迫られると、精神的に追い詰められることもあるでしょう。この記事では、事故後の適切な対応方法と注意点について、わかりやすく解説します。
事故後のやりとりはすべて保険会社に任せるのが鉄則
まず最も重要なポイントは、事故後の交渉や連絡はすべて保険会社に任せるということです。事故の当事者同士が直接やり取りをすると、感情的になったり、トラブルが拡大したりするリスクが高まります。
相手から電話があった場合でも、「すべて保険会社を通して対応していますので、そちらにご連絡ください」と丁寧に伝えるだけで十分です。決して相手の要求に対して個別に返答したり、約束したりしないよう注意しましょう。
「10対0であなたが悪い」という主張に惑わされない
交通事故では過失割合の決定が非常に重要ですが、その判断をするのは当事者ではなく保険会社や最終的には裁判所です。相手が「10対0だ」と強く主張してきても、それはあくまで一方的な意見にすぎません。
過失割合は、事故の状況、ドライブレコーダー、現場の証言、警察の調書など複数の情報をもとに総合的に判断されます。焦らず、保険会社の担当者に情報を正確に提供し、専門的な判断に任せましょう。
入院勧告と慰謝料請求の意図を冷静に読み取る
相手が病院から入院を勧められているにもかかわらず、実際には入院しない場合でも、後から「入院相当の怪我だった」として高額な慰謝料請求がくることもあります。
こうした請求も、保険会社が医学的資料をもとに妥当性を判断します。相手の「請求するために長引かせているのでは」という不安も、あなた個人が直接判断・対応することではありません。
精神的なプレッシャーを感じたらどうするか
相手の強い口調や頻繁な連絡でストレスを感じた場合は、録音を行い、日時と内容を記録しておきましょう。後に、脅迫や迷惑行為として取り扱われる可能性もあります。
保険会社の担当者に「相手からこのような電話が何度も来ていて、不安を感じている」と伝えれば、相手側に注意喚起や、連絡手段の制限を要請してくれる場合もあります。
実際の事例:冷静な対応が事態を好転させたケース
ある方は、接触事故後に相手から頻繁に電話が来て強く責められましたが、一切個人的に対応せず、すべて保険会社に任せたことで、最終的に適正な慰謝料額に落ち着きました。相手は当初「10対0だ」と言っていたものの、実際の過失割合は「8対2」となり、冷静な判断がトラブルを防いだ好例です。
まとめ:不安になったら必ず専門家に相談を
事故後に相手から直接連絡があった場合でも、個人で対応せず保険会社に一任するのが最善です。「請求されたらどうしよう」「入院したら高くなるのでは」などの不安は、専門家の判断に任せることで解消されます。
不安を一人で抱えず、保険会社の窓口や法テラスなどの無料法律相談なども活用して、心身の平穏を取り戻すことを最優先に考えましょう。