ショッピングセンターやスーパーなどで買い物中に、思わぬ事故に巻き込まれてケガを負ってしまうことがあります。多くの方が「店側は何をしてくれるの?」「謝罪だけで済まされるの?」と不安を感じることでしょう。この記事では、店舗での事故とそれに対する店舗側の責任、適切な対応、そして被害者が取るべき対応について詳しく解説します。
店舗での事故は「施設管理責任」が問われる可能性がある
店舗のような不特定多数の人が出入りする施設では、「安全に利用できる状態を維持する義務」が店舗運営者に課されています。これは民法第717条の「工作物責任」に該当することが多く、たとえば木材や什器が落ちてきた、床が濡れていて滑ったといったケースでケガをした場合、管理者側の責任が問われることになります。
つまり、買い物客が不注意なく通常通り行動していたにもかかわらず店舗の設備やスタッフの行動が原因でケガを負った場合、店舗側には過失責任が生じることがあります。
店舗側の謝罪だけでは不十分な場合も
事故が発生した際に店長やテナントの責任者が出てきて謝罪することは当然の対応ですが、それだけで終わらせてしまうのは適切ではありません。本来であれば、次のような対応が期待されます。
- ケガの程度の確認と応急処置
- 病院への案内や治療費の負担申し出
- 事故状況の記録と保険対応の説明
謝罪のみでその後の治療費や通院費の負担がない、連絡もこないといった対応であれば、被害者側からしっかりと申し出を行う必要があります。
実例:買い物中に落下物で負傷したケース
あるショッピングモールで、店舗改装作業中に誤って脚立から板材が落下し、来店中の女性客の足に当たって裂傷を負った事例では、店側が治療費を全額負担し、さらに交通費・通院にかかる損害も一部補償したという対応がなされました。
このように、被害の程度や店舗の過失内容によっては損害賠償や慰謝料の支払いも検討されるケースがあります。
被害に遭った場合の正しい対処方法
店舗内で事故に巻き込まれた場合、以下の行動を取ることが重要です。
- 現場の写真を撮る・状況をメモする
- 店側の責任者と話し、担当者の氏名・連絡先を確認
- ケガをしたら病院で診察を受け、診断書をもらう
- 領収書など、かかった費用の記録を保管
また、対応が不誠実であった場合には、消費生活センターや国民生活センターなどに相談するのも有効です。
慰謝料や損害賠償は請求できる?
店舗側に明らかな過失があり、その結果としてケガや精神的苦痛を受けた場合、損害賠償や慰謝料の請求が可能です。請求できる内容には以下のようなものがあります。
- 治療費
- 通院交通費
- 休業損害(仕事を休んだ場合)
- 慰謝料(精神的苦痛に対する賠償)
実際に請求する場合は、弁護士への相談や内容証明郵便による申し入れなど、法的な手段を検討することも視野に入れましょう。
まとめ:店舗での事故は泣き寝入りせず、正当な対応を求めよう
買い物中の事故でけがを負った場合、店側の対応が「謝罪のみ」で終わるのは適切とは言えません。被害者として正当な補償や説明を求める権利があります。
その場で対応を記録し、必要に応じて医療機関や消費者相談窓口へも連絡しましょう。適切な対応を求めることは、今後の事故防止にもつながる大切な行動です。