「6年間NHK受信料を払っていないけど、もう払わなくていいの?」という疑問を抱える人は少なくありません。特に訪問契約で不本意に契約させられたケースでは、納得がいかず放置してしまった方も多いはずです。本記事では、長期間支払っていない場合に本当に支払い義務がなくなるのか、そして今からでも取れる現実的な対応策について解説します。
NHKとの契約は一度成立すると原則解約しない限り継続
NHKとの放送受信契約は「放送法第64条」に基づいており、テレビなどの受信設備を設置した段階で契約義務が生じます。そして、たとえその後テレビを処分していたとしても、正式に解約手続きを行わなければ契約は継続していると見なされます。
つまり、契約が2019年に成立し、2025年現在まで何の解約手続きもしていなければ、その6年間は「未払いの契約期間」とされ、受信料の請求対象になります。
未払い受信料に時効はあるのか?
受信料の請求権にも民法上の消滅時効があり、基本的には5年間で時効にかかる可能性があります(民法第166条)。ただし、NHKが内容証明郵便で請求してきたり、裁判を起こしたりすると、時効は中断されるため、それ以前の分も支払い義務が復活する可能性があります。
過去には、10年近く未払いだった世帯がNHKに訴えられ、全額支払いを命じられた判例もあります。つまり、「何もせずに時効を待つ」のは非常にリスクが高い選択肢です。
NHKからの電話や訪問を無視しているとどうなる?
電話をブロックしても、NHKは契約者情報を把握している限り、封書や督促状、法的手段での対応に切り替える可能性があります。事実、ここ数年で受信料滞納者に対する裁判件数が急増しており、コンビニ払いや口座振替を利用していない未納者が狙われやすい傾向があります。
裁判を起こされた場合、無視すると自動的に敗訴となり全額支払いが確定するため、注意が必要です。
正しく対応するための現実的な選択肢
受信料未払いに対し最も現実的な対応策は次の3つです。
- (1)契約が無効であると主張する
明らかに強引な契約勧誘があった場合は、「意思表示の瑕疵」として契約無効を主張できる可能性もあります。録音や証拠があれば法的に争う余地があります。 - (2)受信機がないことを証明して解約
テレビを処分していれば、その証明(リサイクル券のコピーなど)をもって解約手続きを行い、支払い義務の終了を主張することが可能です。 - (3)和解・分割払いを申し出る
すでに支払い義務が確定している場合は、NHKと交渉し、和解金額の減額や分割払いを申し出ることで、心理的負担を軽くできる場合があります。
いずれにしても、何もせず放置を続けるより、早めの相談や手続きを行うことが重要です。
まとめ
2019年に契約してから2025年までNHK受信料を一度も支払っていない場合でも、支払い義務は原則として残ったままです。5年以上経過していても、時効が成立しているとは限らず、内容証明や裁判で請求が来るリスクもあります。
放置するよりも、状況を整理して解約・分割・法的対応など、現実的かつ合法的な手段で対処する方が、精神的にも安心して日常を過ごせるでしょう。