匿名アプリで「死ね」と言われたら開示請求できる?個人間トークの発言でも法的措置は可能か解説

昨今、匿名性の高い個人トークアプリでのトラブルが増加しています。とくに「死ね」などの暴言が繰り返された場合、被害者としては心理的な苦痛を受け、開示請求や法的手段を検討する方も少なくありません。本記事では、そうした発言がどこまで開示対象になり得るのか、実際の法的プロセスとともに解説します。

開示請求の対象となる発言とは?

一般的に「死ね」「殺すぞ」「バカ」「きもい」などの暴言は、発言の内容・回数・文脈・相手の属性などを総合的に判断したうえで、名誉毀損侮辱脅迫不法行為(民法709条)として開示請求の対象になる可能性があります。

とくに「死ね」といった言葉は、人格否定や自殺を促す発言として扱われやすく、複数回にわたり執拗に続いた場合、開示請求や損害賠償請求の前提となり得ます。

匿名アプリでも発信者情報開示請求は可能

相手が匿名であっても、通信記録のログ(IPアドレスやアクセス時間など)をもとに、プロバイダや通信事業者に対して発信者情報開示請求が可能です(プロバイダ責任制限法に基づく)。

たとえばアプリ運営会社が日本国内の法人であれば、ログ開示→IP特定→携帯キャリアへの開示→本人特定という流れが現実的です。

実際に開示請求が認められたケース

過去の裁判例では、「死ね」との単発発言だけで開示が認められることは少ないものの、繰り返し・悪質性・被害者が精神的被害を受けた事実などが明確であれば、発信者の特定が認められています。

たとえば、学校の同級生にSNSで執拗に「死ね」などの暴言を送った加害者が開示請求された例では、裁判所が名誉感情の侵害と認定し、発信者のIP開示と損害賠償を命じています。

開示請求までの流れと必要な手続き

  • ① ログ保存の確認(できるだけ早くスクショ・記録)
  • ② 弁護士への相談(違法性や請求可能性の判断)
  • ③ 発信者情報開示請求の申立て(地方裁判所)
  • ④ 開示された相手に対し、慰謝料請求などの民事訴訟や示談

匿名アプリによっては運営会社が海外にあるなど、手続きが煩雑な場合もあります。弁護士を通じた対応が不可欠です。

相談先と費用相場について

インターネット問題に強い弁護士事務所では、初回無料相談を実施している場合が多く、開示請求~損害賠償請求まで一括サポート可能です。

費用は着手金が3万~10万円程度、成功報酬として5~20万円程度が相場です(相手特定・交渉・慰謝料回収含む)。

まとめ:匿名アプリでも「死ね」発言は法的措置の対象になりうる

匿名のトークアプリであっても、「死ね」といった悪質な暴言が繰り返される場合には、開示請求と損害賠償の対象となる可能性があります。

重要なのは、証拠の確保と早めの専門家相談です。「個人間の口論だから」とあきらめず、適切な手続きを取ることで、自身の権利を守ることができます。

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