夫や妻が個人再生など債務整理を行った際、自分に借金がないにもかかわらず、クレジットカードが突然停止されるというケースが稀に報告されています。この記事では、なぜそのようなことが起きるのか、そして実際に影響があるのかを法的な観点から整理し、安心して対応できる知識を紹介します。
個人再生とは?配偶者への法的な影響はある?
個人再生は債務者が裁判所を通じて借金を大幅に減額し、3〜5年で返済する制度です。あくまで個人単位で手続きされるため、原則として配偶者の信用情報や財産に直接影響を与えるものではありません。
しかし、「世帯収入」や「生活状況」などを審査材料として使うカード会社があるため、間接的に信用判断に影響を与えることはありえます。
配偶者の債務整理でなぜクレジットカードが止まるのか
信用情報機関(JICC・CIC・KSC)では、本人以外の信用情報は原則見られませんが、カード会社が「世帯単位」での信用判断を行っている場合、住所や名字などから家庭状況を推測して判断することもあります。
特に夫婦が同一住所であり、過去に家族カードなどで連携があった場合、「総合的な判断」としてカード停止になるケースが報告されています。
「総合的な判断」とは?カード会社の判断基準の実態
「総合的な判断」は、カード会社が詳細な理由を明かさずに契約を打ち切れるという意味です。これは加盟店契約の自由裁量によるもので、契約者側に明確な信用事故がなくても停止される可能性があります。
このような曖昧な表現には納得がいかないかもしれませんが、「信用供与契約は信頼関係が前提」とされており、消費者側が争うのは難しいのが現状です。
カード停止時にできること:再発行・見直し・相談
- カード会社に異議申し立てをしても原則判断は変わらない
- 他社で新たにカードを申し込む場合は、「個人再生の影響を受けていない個人」であることを強調
- キャッシュレス決済は他にもデビットカード・プリペイドカードなど代替手段を活用
- 国民生活センターに相談して判断の妥当性を確認することも可能
また、金融系の専門弁護士に相談し、誤解や誤登録がないかを調査してもらうのも一つの手です。
実例:夫の個人再生で妻のカードが利用停止に
ある事例では、妻が独身時代から使っていたカードが、夫の個人再生後に「総合的な判断」で突然停止されました。年収400万円の正社員で、延滞履歴も一切なしでしたが、同住所というだけでリスク判断された可能性が高いと考えられます。
この場合、同じ会社での再契約は困難ですが、別のカード会社では問題なく審査に通るケースもあります。信用情報そのものに傷がついていなければ、焦る必要はありません。
まとめ:冷静な対応と代替手段の検討を
配偶者の債務整理が原因で自分のクレジットカードが使えなくなったとしても、それは法的な義務や責任ではなく、あくまでカード会社のリスク管理による判断です。ショックを受けるのは当然ですが、代替手段の活用や別会社の利用申請などで生活を立て直すことは可能です。
まずはご自身の信用情報に問題がないことを確認し、必要に応じて専門家への相談も検討しましょう。