交通事故後の修理費負担は、過失割合に応じて決まるのが基本です。しかし、いざ請求しようとすると、保険会社が動いてくれない…という声も多く聞かれます。この記事では、過失8:2のケースにおいて相手側保険会社に請求できるのか、その理屈と注意点を解説します。
■過失割合8:2でも相手に2割の請求はできるのか?
交通事故の損害賠償は、過失割合に基づいて分担されます。あなたが8割、相手が2割の責任であれば、相手側に2割分の損害賠償を請求することは原則可能です。
例えば修理費が50万円の場合、相手側には10万円(=50万円×20%)の支払い義務があることになります。
■なぜ保険会社が動いてくれないことがあるのか
保険会社が渋る理由のひとつが、「自動車保険には示談代行義務がないケースがある」という点です。特に、契約者側に過失が大きい場合(70%以上)、保険会社が相手への請求交渉を行わない方針を取っていることがあります。
この場合は、自分自身で相手の保険会社や本人に直接請求交渉を行う必要があります。
■相手の保険から修理費を受け取るための手順
- 事故証明と過失割合を明確にしておく(警察の調書や保険会社の見解)
- 修理見積書や写真など証拠資料を揃える
- 相手の保険会社に請求書を郵送または電話連絡
- 書面による請求書や損害証明書を送付し、正式に請求
できれば、弁護士特約を利用して専門家に依頼することで、交渉がスムーズになる場合もあります。
■自分で請求する場合の注意点
保険会社が対応しない場合でも、自分で相手に損害請求する権利は変わりません。ただし、口頭ではなく必ず書面で証拠を残すようにしてください。
また、相手側も過失が認められていないと、支払いを拒否することがあります。その場合は、自賠責保険や簡易裁判所での少額訴訟制度などの活用も検討しましょう。
■トラブルを避けるために弁護士への相談を
交渉が難航する場合は、弁護士費用特約が使えるか確認し、法的に正しい手順で対応しましょう。多くの自動車保険には特約が付帯しているので、費用を気にせず専門家の支援が受けられます。
たとえば、保険会社が示談交渉を拒否しても、弁護士に依頼すれば相手保険会社との交渉が可能です。
■まとめ:正当な請求は主張すべき
過失割合が8:2であっても、相手側に修理費の2割を請求することは法的に認められた権利です。保険会社の対応に疑問がある場合でも、自分の権利を理解し、正しく行動することが大切です。
必要に応じて、消費者センターや法テラスへの相談も活用し、安心して対応を進めていきましょう。