健康食品や日用品を扱うネットワークビジネスとして知られる「シャクリー」や「アムウェイ」は、しばしば違法性があるのでは?と疑問を持たれることがあります。しかし、実際には法的に認められた販売方式であり、違法かどうかは活動内容によって大きく異なります。
マルチ商法と連鎖販売取引の違い
日本では、アムウェイやシャクリーのようなビジネス形態は「連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)」と定義されています。これは特定商取引法に基づいて合法的に規制された取引形態であり、正しい手続きや説明義務を果たしている限りでは違法ではありません。
一方、「ネズミ講(無限連鎖講)」は違法です。これは商品やサービスの実体がなく、紹介料だけで収益を得ることを目的とした仕組みであり、刑法第246条(詐欺罪)や特定商取引法に違反する場合があります。
アムウェイやシャクリーが違法と言われる理由
過去にアムウェイの勧誘行為などで違法と判断されたケースがありますが、これは会社そのものが違法だったのではなく、個々の販売員が法律に違反する形で勧誘行為や不実告知を行ったために問題となったものです。
つまり、勧誘方法や契約手続きの不備があると、適法な事業であっても違法な活動と見なされてしまうことがあるのです。
消費者庁や公正取引委員会の見解
消費者庁や公正取引委員会も、連鎖販売取引自体は合法であるとしつつも、勧誘行為には厳しいルールがあると明記しています。
- 事前に「マルチ商法である」と告げる義務
- 契約内容や返品条件の明示
- 迷惑勧誘や詐欺的説明の禁止
これらに違反すれば、消費者庁による行政処分の対象になる可能性があります。
過去の行政処分や報道例
2021年には、アムウェイが一部の販売活動に関して景品表示法違反や勧誘方法に問題があったとして、業務停止命令を受けました。
しかし、これもアムウェイという会社そのものが違法とされたわけではなく、「不適切な勧誘行為を行っていた一部ディストリビューター(販売員)」が問題視された事例です。
一般人として気をつけるべきポイント
ネットワークビジネスに勧誘された場合は、以下の点に注意しましょう。
- 最初に「これはマルチ商法」と説明されたか
- 商品の実態や契約条件が明確か
- クーリングオフが正しく説明されたか
- しつこい勧誘や脅し文句がなかったか
これらのルールが守られていなければ、違法な勧誘に巻き込まれている可能性もあるため、消費者センターなどへの相談をおすすめします。
まとめ:違法かどうかは「やり方」次第
アムウェイやシャクリー自体は、特定商取引法に基づいて日本国内で合法に事業を展開しています。違法とされるのは、あくまで販売員の勧誘行為や契約内容が法律に反する場合です。
勧誘された場合は、冷静に判断し、納得できるまで契約せずに情報を集めましょう。不安を感じたら、国民生活センターや消費者庁へ相談するのが安心です。