混雑した駐車場内でハザードを出して空き待ちしている車の横を追い越す際、接触事故を起こした場合、追い越した側にどの程度の責任があるのか不安になりますよね。本記事では、判例に基づく過失割合の考え方や実務上の判断基準を詳しく解説します。
駐車場内事故で重視される基本パターン
駐車スペースから通路へ出ようとする車と、その通路を進む車との事故では、通路進行車の過失が重くなる傾向があります。駐車区画進入車が20%、通路進行車が80%の過失とするのが基本です【citeturn0search0turn0search6turn0search10。
この事故構造は、今回の「ハザード待ち車(停車)」と「追い越し車」の関係でも応用可能と考えられます。
ハザード車:一時停車か進行意思か?
ハザードを点灯して空き待ちしている場合、「停車」扱いになりやすく、道路交通法上の一時停止車両に近い位置づけになります。
判例では、進行車が停車車両を追い越す際に事故となった場合、追い越し禁止等の状況下に応じて過失割合10:90程度が認定されることもあります【citeturn0search14。駐車場内でも同様の傾向があり得ます。
東京地裁判例:バック車と追越車の事故
ある東京地裁判決では、バックして出ようとした車両と通路を進行していた車が衝突し、過失割合が60%:40%と認定されました。通路進行車にも相応の注意義務があるとされています【citeturn0search2。
そのうえで、通路進行車が徐行していなかったり、ハザード等で合図を怠っていた場合、過失割合がさらに高まる可能性もあります。
一方通行・追い越し禁止の通路なら過失大
一方通行で追い越し禁止の通路であれば、本来追い越し自体が違法。その場合、追い越し車側の責任が特に重く評価され、“安全配慮義務違反”として過失割合が厳しく問われるでしょう【citeturn0search14。
駐車場内でも一方通行や追越禁止の指示表示があれば、それに従わなかった追越車に非があります。
過失割合は?目安と修正要因
シナリオ | 過失割合(追越車:停車車) |
---|---|
ハザード待ち車→通路進行車接触 | 追越車70〜90%:ハザード車10〜30% |
一方通行・追越禁止通路 | 追越車80〜90%:ハザード車10〜20% |
バック車と通路車の事故(判例2150年東京地裁) | 追越車60%:バック車40% |
なお、保険会社では5:5の提示が出されることもありますが、法律的には通路進行車側の注意義務違反が重視される傾向にあります【citeturn0search8turn0search4。
まとめ:過失責任は追越車が重いケースが一般的
・ハザード点灯中の停車車両は、通路進行車と比較して注意義務が軽くなる傾向がある
・追い越し行為自体に過失があるとされ、過失割合は70〜90%が目安
・通路が一方通行・追越禁止ならより過失が重くなる
・具体的には、事故時の速度、周囲状況、合図有無などが判断材料になる
追い越しは法・交通ルール上リスクを伴う行為です。混雑や一方通行など注意が必要な状況下では、追越を控え、冷静に判断することが最善です。