狭い交差点やカーブで、左折する車が大きく右に膨らんでしまい、対向車や隣車線の車と接触する事故は意外と多く発生しています。このような事故では、過失割合が争点になることが多く、当事者の証言やドライブレコーダーの映像が決定的な証拠になるケースも少なくありません。
左折時に右に膨らむ行為は原則として違反
道路交通法では、左折時は「道路の左端に寄って左折すること」と定められており、右に膨らむ行為は原則として違法とされます。これは道路の安全と円滑な通行を確保するためであり、特に片側一車線道路では対向車線にはみ出してしまうと事故のリスクが高まります。
通常の普通乗用車であれば、右に膨らまずに左折することが可能な交差点がほとんどであり、左折時に右に膨らむこと自体が過失の大きな要因となりえます。
事故状況による過失割合の判断
左折車が右に大きく膨らみ、隣の車線や対向車線にはみ出して接触した場合、左折車側に大きな過失が認定されることが一般的です。特に、事故の瞬間がドライブレコーダーに記録されている場合は、過失割合の立証にも有力な証拠となります。
一方で、相手車両が徐行義務や注意義務を怠っていた場合、10〜20%程度の過失が割り当てられるケースもあります。最終的には、保険会社や裁判での過去事例を元に過失割合が決定されます。
ドラレコが示す客観的証拠の重要性
ドライブレコーダーの映像は、過失割合を判断するうえで非常に有力です。事故発生のタイミングや車線の位置関係、車の動きなどが明確に記録されていれば、感情論や主観的な言い分に左右されず、正確な判断が可能になります。
特に、ドラレコに「左折車が明らかに車線を越えて右に膨らんだ様子」が映っていれば、相手側の責任がほぼ全面的に認められる可能性も高くなります。
事故後にとるべき行動とは
このような接触事故が発生した場合、現場での対応がその後の処理に大きく影響します。以下の対応が推奨されます:
- 事故現場の写真や映像を記録する
- 警察に連絡して事故証明を取得する
- 保険会社に速やかに連絡し、状況を説明する
- ドライブレコーダーのデータを保存しておく
また、相手方が非を認めない場合に備え、客観的証拠を保全しておくことが重要です。
事故を防ぐ運転マナーの見直し
左折時の右膨らみは、事故の原因になるだけでなく、周囲のドライバーにとっても迷惑行為です。運転時には以下のような点に注意を払いましょう:
- 車両感覚をしっかりと把握する
- 交差点手前でしっかりと減速し、右に膨らまずに曲がる
- 大型車などが交差点内で曲がってくる場合は、間合いをとって譲る
車種や交差点の構造によっては一部例外もありますが、普通車での右膨らみは基本的に避けるべき運転です。
まとめ:右に膨らんだ左折での接触事故、過失は高めに
左折時に右に膨らんだことで他車と接触した場合、膨らんだ側のドライバーに高い過失が認められるケースが多いです。特に、普通車で膨らむ必要のない交差点であれば、過失割合は8〜9割が該当側に認定されることも。
事故の再発防止には、丁寧なハンドル操作とドラレコの活用が不可欠です。ドライブレコーダーの映像は事故対応だけでなく、自身を守るツールとしても大いに役立ちます。