近年、心霊スポットや廃墟を訪れる「探索系レジャー」が一部の若者やユーチューバーの間で注目を集めています。しかし、こうした行動の中で異常な光景や痕跡を目にしたとき、通報すべきかどうか迷うケースも少なくありません。本記事では、廃墟や立入禁止区域での異常発見時にとるべき行動や、法的リスクを最小限に抑えるための対応方法を詳しく解説します。
廃墟で異常を発見したときの基本姿勢
血痕のようなものや明らかに異常な状況を発見した場合、それが事件性のあるものである可能性を否定できません。命に関わる可能性がある状況であれば、見過ごすことなく警察へ連絡することが重要です。
たとえ自身が私有地に無断で立ち入ってしまったとしても、通報の正当性や公益性が高ければ、罪に問われない場合もあります。
通報すべきか迷ったときの判断基準
- 血痕や人の気配、叫び声など異常な痕跡がある
- 破壊行為、火災、異臭など緊急性がある
- 誰かが助けを求めていたり、負傷している可能性がある
上記に該当する場合は、警察(110番)へ即通報するのが望ましいです。特に人命が関わる可能性があるなら、通報の義務があるとさえ言えます。
通報する際に気をつけたいポイント
通報時には、以下のような情報を簡潔に伝えるとスムーズです。
- 場所(例:広島県安芸高田市○○地区、旧○○ホテル跡など)
- 時間(発見した日時)
- 目撃した状況(血痕のようなもの、不審な物音など)
- 立ち入りの経緯(心霊スポットの噂で訪れた等、簡潔に)
自らの立場を過度に心配する必要はありません。警察はまず事件性の有無を確認することを優先します。
不法侵入に該当するリスクとその扱い
廃墟であっても、私有地であれば「建造物侵入罪」に該当する可能性があります(刑法第130条)。しかし、事件性のある状況を通報した場合は、結果として公益性が認められ、厳重注意で済むケースもあります。
実際には、「通報がなければ事件が見逃されていた」ようなケースもあるため、警察も通報者を責めることは基本的にありません。
実例:通報が事件の解決に繋がったケース
過去には、廃工場跡地で不審な血痕を発見し、通報したことで失踪者の捜索に繋がった事例も報告されています。このように、一般市民の通報がきっかけで重要な捜査が始まることも珍しくありません。
そのため、「余計なことだったかもしれない」と思っても、通報は無駄ではない可能性があるのです。
まとめ:不審な状況を見たら迷わず通報を
廃墟での探索中に不審な痕跡や危険を感じた場合、迷わず警察へ通報することが推奨されます。自己保身よりも、万が一の人命や事件に関わる情報を優先することが、社会的にも責任ある行動です。
探索そのものが法的リスクを伴う行為であることを忘れず、今後は立入禁止区域への訪問を控えるとともに、冷静で良識ある判断を心がけましょう。