振込詐欺の被害に遭った場合、多くの方が気になるのは「騙されたお金が返ってくるのか」という点です。特に犯人の一部が警察に逮捕されたとき、どのような手続きを経て被害金の返還が行われるのか、実際の流れや可能性について詳しく解説します。
詐欺事件でお金が返ってくる仕組みとは?
詐欺事件で被害金が返還されるためには、警察が押収した資金や財産を、裁判などの手続きを経て返還することになります。加害者の所持金や銀行口座の残高に応じて、被害者に分配されるケースが一般的です。
ただし、加害者に資産がない場合は返金が難しいのが実情です。詐欺グループの末端メンバーが逮捕されても、実行役ではないために被害金の所在が不明なこともあります。
返金を受けるための手続きと流れ
被害者は警察に被害届を提出し、捜査協力を行うことが第一歩です。その後、刑事裁判の過程で「被害弁償」や「仮差押え」などの措置が取られる可能性があります。
また、検察庁や警察から「被害者等通知制度」によって連絡があることもあり、返金が可能な場合は書類での手続きが求められることもあります。連絡を見逃さないよう注意が必要です。
民事訴訟による損害賠償請求も可能
仮に刑事手続きで返金されなかった場合でも、民事訴訟によって損害賠償請求をすることが可能です。これは詐欺の加害者個人に対して、直接お金の返還を求める法的手段です。
ただし、訴訟には弁護士費用や時間がかかるため、加害者に支払い能力があるかどうかを見極める必要があります。弁護士に相談して、費用対効果を検討しましょう。
被害回復給付金制度も活用を
一部の詐欺事件では、法務省の「被害回復給付金制度」が利用できます。この制度は、詐欺犯から没収された財産を原資にして、被害者へ給付金として支払うものです。
給付金の対象となるかは、事件ごとに異なりますが、給付申請の期間や条件があるため、事件が公表されたら早めに確認しましょう。
実例:数十万円が返金されたケースも
実際に、詐欺事件で数十万円を騙し取られた被害者が、加害者の銀行口座が凍結されていたため全額返金されたという事例も存在します。一方で、返金されなかったケースも多く、加害者の資産状況や事件の規模により大きく差が出ます。
特に組織的な詐欺事件では、末端の実行犯が逮捕されても資金の流れが不明になることが多いため、返金の可否は個別に判断されます。
まとめ:返金の可能性は状況次第、まずは相談を
振込詐欺で騙されたお金が返ってくるかどうかは、加害者の資産状況や捜査・裁判の進展に大きく左右されます。まずは警察へ被害届を出し、必要に応じて民事訴訟や被害回復制度の利用を検討しましょう。確実な情報収集のためにも、法テラスや弁護士への相談もおすすめです。