駐車場などで車に歩行者が接触し、ドアミラーなどを破損させたうえでその場から立ち去ろうとした場合、どのような対応を取るのが適切なのでしょうか?感情的になって手首を掴んだり、無理に引き止めようとすると、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。この記事では、歩行者の過失が疑われる場面での正しい対応を、法律的視点からわかりやすく解説します。
まずはその場で冷静に状況確認を
物損事故が発生した際は、その場で相手に声をかけて事実確認を行うことが重要です。目撃者がいる場合は協力を得て、第三者の証言を得ることも後々のトラブル防止につながります。
ドアミラーの破損などが明らかな場合でも、すぐに怒りに任せて相手を制止しようとせず、まずは警察に連絡しましょう。
歩行者にも賠償責任が発生することがある
通常、車と歩行者の接触では自動車側が責任を問われがちですが、歩行者が不注意や故意によって車に損害を与えた場合、民法上の損害賠償責任が生じる可能性があります。
たとえば、スマホを見ながら接触した場合や、混雑した駐車場内で無理にすれ違おうとした結果であれば、歩行者側にも一定の過失が認められることがあります。
現行犯で引き止めるのは可能か?
刑法上、犯罪の現行犯については一般人でも「現行犯逮捕」が認められています(刑事訴訟法第213条)。ただし、「逮捕」ではなく、逃走を防ぐための引き止めは慎重に行う必要があります。
相手に暴行を加えたり、過剰な力で拘束した場合、逆にこちらが暴行罪や監禁罪に問われるリスクもあります。
適切な対処法:証拠を確保し警察に通報
最も重要なのは、ナンバー、車両損傷の写真、周囲の状況などの証拠を記録し、速やかに警察に通報することです。
最近では、防犯カメラやドライブレコーダーも重要な証拠になりますので、可能な範囲で保存しておきましょう。
保険会社や弁護士への相談も視野に
損害が大きい場合や相手と話がこじれた場合は、法テラスなどを通じて弁護士に相談するのも選択肢です。また、車両保険の内容によっては損害が補填される場合もあるため、加入している保険会社にも連絡しましょう。
まとめ:その場で冷静に、法的手段で対応するのが最善
感情的に相手を押さえつけるのではなく、証拠を押さえ、警察や専門家に依頼するのが法的にも安全な方法です。民事・刑事の双方で問題が発生しうる状況だからこそ、正しい知識と対応が求められます。