夜間に見知らぬ場所で運転中、やむを得ず駐車場に入った際、停車中の車にうっかり接触してしまうケースは少なくありません。特に狭いスペースでのバック操作では、思わぬ事故が起きる可能性があります。この記事では、停車車両への接触事故が起きた際の対応方法、過失割合、修理費用の目安について、実例を交えて詳しく解説します。
停車車両との接触事故は基本的に10対0
一般的に、動いていない車に対して運転中の車が接触した場合、過失割合は「10対0」で加害者側が100%責任を負うケースがほとんどです。停車中の車は法的に何の過失もないと見なされるため、ぶつけた側が全責任を負う構図となります。
ただし、例外として、駐車車両が違法駐車や著しく危険な場所に停車していた場合には、わずかに被害者側にも過失が認められることがありますが、通常の駐車場ではその可能性は低いと考えられます。
警察に連絡し、連絡先を残す行為は正解
事故後に現場で警察に通報し、相手の車に自分の連絡先を記載したメモを残すという行為は、誠実で正しい対応です。道路交通法第72条では、物損事故であっても警察への報告が義務付けられています。
また、メモを残すことで、相手が不在の場合でも後日スムーズな連絡と保険処理が可能になります。この行動は後々のトラブルを避けるためにも非常に重要です。
損傷が軽微な場合の修理費用と保険対応
相手の車に凹みがなく「色が落ちた程度」とされる場合、多くは塗装の擦れやスリ傷に該当し、板金塗装費用はおおよそ1万円〜5万円程度が相場です。車種や損傷部位により価格は前後します。
この程度の損害であれば、自動車保険の「対物賠償保険」を使用して補償することが可能です。ただし、保険を使うと翌年以降の等級ダウンと保険料上昇のリスクがあるため、金額によっては自己負担を選ぶ方もいます。
保険会社への連絡と事故処理の進め方
事故を起こした場合は、速やかに自分の保険会社へ連絡しましょう。相手方とのやり取りや修理業者との交渉なども、保険会社が代行してくれるため安心です。
また、相手方からの連絡が来た時点で、その内容を保険会社に伝え、以降は代理対応を任せることができます。自身が直接交渉に関わらないことで、トラブルのリスクも軽減されます。
事故後にやってはいけない行為と注意点
事故を起こした後、何もせずに現場を離れると「当て逃げ」と判断される可能性があります。刑事罰や行政処分を受ける可能性もあるため、必ず警察への通報と適切な情報提供を行いましょう。
また、相手の車に接触してしまった事実を隠す行為や、保険会社に報告せず示談しようとする行動は後々大きなリスクとなるため、避けるべきです。
まとめ:冷静な対応がトラブル回避の鍵
夜間の不慣れな場所で接触事故を起こしてしまったとしても、冷静に対処すれば過度なトラブルには発展しません。警察への報告、相手への連絡、保険会社との連携といったステップをしっかり踏みましょう。
修理費用が想定よりも低額で済む場合もあるため、焦らず、適切な対応を行うことが大切です。