街を歩いていると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。特に「当たり屋」やスマホ破損などを理由に高額な弁償を求められる事例は、決して他人事ではありません。「相手が怒っているから…」と自分に非がないのに支払いをしようとするのは、実は非常に危険な対応なのです。本記事では、不当な金銭要求に直面した際の正しい対応法を、法的な観点と実例を交えて詳しく解説します。
「当たり屋」とは?その典型的な手口と心理的な圧力
当たり屋とは、わざと他人に接触して事故を装い、損害賠償や慰謝料を不当に請求する者のことです。交通事故の世界では有名ですが、近年は歩行者間のトラブルでも同様の手口が見られます。
たとえば「歩きスマホでわざとぶつかり、スマホが壊れたから弁償しろ」と主張されるようなケースは、典型的な例です。怒鳴ったり、スマホの破損を強調することで心理的なプレッシャーをかけ、冷静な判断を奪うのが目的です。
法的に見ると、支払う義務があるのはどんな場合か
民法では、他人の財物に故意または過失で損害を与えた場合、賠償責任を負うことになります。しかし、自分に過失がない場合や、相手の過失が明らかである場合には、支払う必要はありません。
特に歩行中の接触事故では、両者の過失割合や客観的な証拠が重要です。一方的に「弁償しろ」と言われたからといって、それが法的な義務に直結するわけではないのです。
実際に起きた「街中トラブル」事例とその対応
都内で実際にあった事例では、20代の女性が駅前で男性と肩がぶつかった後、「スマホが割れたから10万円払え」と迫られたケースがありました。女性は即座に警察を呼び、後に男性は当たり屋として検挙されています。
このように、感情的にならず第三者(警察)を介入させることが重要です。決してその場で現金を渡してはいけません。
不当な請求に遭ったときの正しい対処法
- その場で支払いをしない:冷静になる時間を持つことが第一です。
- 警察を呼ぶ:民事でも、現場対応には警察の立ち会いが有効です。
- 会話を録音する:証拠保全のためにスマホの録音機能を活用しましょう。
- 第三者に相談する:近くの人に助けを求めるのも手です。
相手がスマホの破損を主張する場合でも、実際の破損状態や原因が明確でなければ、支払い義務が発生することはまずありません。
「怒っている人に屈しない」ことの大切さ
「相手が怒っているから自分が譲るべき」と考えるのは、人間関係では美徳でも、トラブルの現場では逆効果になることがあります。悪意ある相手にとっては、それが“次のカモ”になるきっかけになってしまうのです。
毅然とした態度で、感情よりも事実と法的根拠を大切にしてください。自分の身を守るのは、まず冷静さと正しい知識です。
まとめ:落ち着いた対応と法的理解がトラブル回避の鍵
当たり屋や不当請求に遭った際、最も大切なのは「その場で判断しない」「警察を呼ぶ」「証拠を残す」ことです。そして、自分に非がないと判断できる状況であれば、支払いをする必要はありません。
トラブルに巻き込まれても、正しい対処を知っていれば、被害を最小限に抑えることができます。事前にこうした知識を持っておくことが、自分を守る最大の武器になるのです。