交通事故における「人身事故」は物損事故と異なり、警察の取り扱いも厳しくなります。特に、事故後の「事情聴取」がいつ行われるのか、状況によってどのような差があるのかは、多くの方が不安を抱くポイントです。この記事では、軽傷・重傷の別による呼び出しの時期や実際の運用、注意点について詳しく解説します。
人身事故の警察対応:基本の流れ
人身事故が発生すると、まず現場での初期対応(警察・救急通報、実況見分など)が行われた後、加害者・被害者双方に事情聴取が行われます。これは事故の全容を把握し、刑事処分や行政処分の判断材料とするためです。
ただし、呼び出しのタイミングは一律ではなく、事故の内容や警察署の業務状況によって異なります。
軽傷事故の場合の呼び出し時期の目安
軽傷事故とは、打撲・むち打ち・擦過傷など治療期間が短いケガが該当します。この場合、警察からの事情聴取の呼び出しは事故から1週間~3週間程度で行われるのが一般的です。
実際には、被害者が診断書を提出した時点で「人身事故」として正式に扱われるため、診断書の提出日から逆算されることもあります。加えて、警察の人員状況や他の重大事件の対応状況によって遅れることもあります。
重傷事故の場合の事情聴取の流れと優先度
骨折や入院を要するような重傷事故の場合、警察はより慎重な対応を取ります。そのため、実況見分も詳細に行われ、事情聴取も早い段階で実施されることが多く、事故後3日~10日程度の範囲で呼び出しがかかる傾向にあります。
また、重傷事故は刑事事件として立件される可能性が高いため、証拠保全や被害者側の聴取と並行して、加害者側の事情確認も急がれる傾向にあります。
軽傷事故の後回しは実際にあるのか?
「軽傷事故は後回しにされる」といった話は実際に存在します。警察のリソースには限りがあり、命に関わる重傷事故や死亡事故の対応を優先せざるを得ない場面もあるからです。
特に年末年始や交通事故が多発する繁忙期には、軽傷事故の聴取が事故発生から1ヶ月以上後になることも稀ではありません。ただし、それが加害者に有利・不利に働くことは基本的にはありません。
事情聴取に備えて準備しておきたいこと
警察からの呼び出しには以下のような準備をしておくと安心です。
- 事故当時の状況を時系列でメモしておく
- ドライブレコーダーの映像を保存
- 加入保険会社と相談し、担当者の同席可否を確認
- 身分証明書や運転免許証の持参
場合によっては、事前に弁護士へ相談しておくことも有効です。
まとめ:呼び出し時期はケースバイケース、誠実な対応を
人身事故の事情聴取は、事故の重大性や警察署の対応状況によって時期が大きく異なります。軽傷であれば数週間後、重傷であれば数日以内に行われることも珍しくありません。
いずれにせよ、警察からの連絡には誠実に応じ、自身の記憶を正確に伝えることが大切です。対応に不安がある場合は、早めに弁護士や保険会社へ相談しましょう。