残価設定型クレジット(残クレ)で購入した車が事故に遭った場合、修理費用は保険でカバーされることが多いものの、事故歴が付くことによって将来的に「残価」に影響が出る可能性があります。この記事では、残クレ契約中の車が第三者の過失で損傷した場合の対処法と、減価分を加害者に請求できるかどうかについて詳しく解説します。
残クレ契約の仕組みと事故による影響
残クレとは、車両価格の一部をあらかじめ「残価」として設定し、契約期間終了時にその残価で車を返却・再契約・買い取りのいずれかを選ぶ仕組みです。残価は「無事故であること」を前提としているため、事故歴がつくと返却時に減額や査定落ちが発生し、契約者に追加の支払いが求められることがあります。
たとえ修理が完了していても、事故歴として記録される場合があるため、これは避けられないリスクです。
加害者の保険で修理費用はカバーできる
今回のように「無人で駐車中にぶつけられた事故」であれば、加害者側の対物賠償保険から修理費用が全額補償されるのが通常です。修理後は車が物理的には元に戻るものの、「事故車」としての扱いは残ってしまう可能性がある点には注意が必要です。
修理にあたっては、ディーラー推奨の正規修理工場を利用し、修復歴が付かない範囲での修理が望ましいでしょう。
事故による査定落ち分は請求できるか?
事故により将来の残価が下がることで生じる「評価損」や「格落ち損」と呼ばれる損害については、加害者(またはその保険会社)に対して請求できる可能性があります。これは法的にも認められており、適切な証拠と評価資料があれば「評価損」の名目で請求可能です。
実際には、ディーラーや第三者の査定士により、事故前後の価値の差額を算出し、その額を保険会社に請求する方法が一般的です。ただし、全額が認められるとは限らず、交渉が必要になるケースも多いです。
評価損を請求するための具体的ステップ
- ディーラーに事故前の残価評価と、事故後の見込み残価評価を出してもらう
- 評価差額を文書で明示してもらう
- 加害者側保険会社に「評価損として請求する」と伝える
- 交渉がまとまらない場合は弁護士や交通事故相談窓口に相談
特に残クレ契約中は、返却時に残価との差額支払いが発生しやすいため、このような準備をしておくことが損害を最小限にする鍵です。
事例:事故後に評価損が認められたケース
ある利用者は、3年後の残価が約100万円と設定されていた車を駐車中にぶつけられました。修理は済んだものの、事故歴により実際の残価が85万円に減少。加害者保険会社に査定書類を提出し、最終的に15万円の評価損が支払われたという事例があります。
このように、実際の請求が可能であることから、泣き寝入りせずに積極的に請求する姿勢が重要です。
まとめ:残クレ車が事故に遭った場合の対処法
残クレ契約車が事故に遭った場合、修理費は加害者側保険でカバーされますが、事故歴による価値下落には注意が必要です。将来的に残価との差額を負担しないためにも、評価損の請求を検討し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
ディーラーや弁護士に相談しながら、適切な資料をそろえて請求手続きを進めましょう。