ヤフオクやメルカリなどで、中古のCDやDVDを購入する人は多いですが、「著作権的に問題はないの?」と不安に思う方もいるかもしれません。この記事では、中古メディアの売買や所持、再生に関して、著作権法の観点からどこまでが合法で、どこに注意が必要かをわかりやすく解説します。
中古のCD・DVDを購入すること自体に問題はあるのか?
結論から言うと、中古のCDやDVDを購入して「個人で楽しむ」限りでは、著作権侵害にはなりません。これは日本の著作権法で「譲渡権の消尽」という考え方があるためです。
たとえば、誰かが正規に購入したCDをフリマアプリやリサイクルショップで売ることは、著作権者の許可なく行っても法律上認められています。そして、そのCDを買って自宅で聴く行為も問題ありません。
著作権が消尽されるとはどういうこと?
「消尽(しょうじん)制度」とは、一度正規に販売された著作物については、その後の譲渡に関して著作権者が権利を主張できないという制度です。
つまり、初回に販売された時点で著作権者の「譲渡に関する権利」は消費されたと考えるため、中古での再販売や購入も自由にできるのです。ただし、これは物理メディアに限られ、デジタルコンテンツのコピーや転送には別の制限が生じます。
違法になる可能性がある行為には要注意
中古品の購入や視聴は合法ですが、以下のような行為は違法になる可能性があります。
- レンタル専用のDVDを個人が販売する(販売が許可されていない)
- コピーしたCDやDVDを販売する(複製権の侵害)
- コピーガードを解除してバックアップを取る(技術的保護手段の回避)
例えば、テレビ番組を録画したDVDを複数人に配布したり、コピーしたCDをオークションで販売することは、著作権法に抵触するおそれがあります。
コピーやバックアップの正しい範囲は?
「私的使用のための複製」であれば、個人の範囲でコピーをすることが許されます。たとえば、購入したCDを自分のスマホに取り込んで楽しむのは合法です。
しかし、家族以外と共有したり、貸し借りを繰り返す場合には、私的使用の範囲を超える可能性があり、注意が必要です。また、コピーガードを解除してまで複製する行為は、たとえ自分用でも違法とされています。
輸入盤・並行輸入品にも気を付けて
海外から輸入されたCDやDVDの一部には、日本国内での販売や利用に制限があるものもあります。特に映画のDVDでは「リージョンコード」の違いにより、国内の機器で再生できないことがあります。
また、輸入盤を国内で大量販売する行為が、著作権者の利益を不当に害すると認定された場合、輸入販売が差し止められるケースもあります。個人での利用なら基本的に問題はありませんが、販売や転売には注意しましょう。
まとめ:中古メディアの購入は基本的に安心。でもルールは理解しておこう
中古のCDやDVDを購入して自宅で楽しむことは、法律上まったく問題ありません。譲渡権の消尽により、正規に流通した商品であれば自由に売買できます。
ただし、複製や転売、レンタル専用品の取り扱いなどには細かいルールがあり、知らずに違法行為となる可能性もあります。安心して音楽や映像を楽しむためにも、著作権の基本的な知識を身につけておくことが大切です。