交通事故に巻き込まれて仕事を休んだ場合、相手方の保険会社から「休業損害」として補償金が支払われることがあります。しかし、会社の証明書の記載ミスなどによって、本来より多い金額が振り込まれてしまうケースもあります。この記事では、こうした場合の正しい対処法や注意点について、具体的な例を交えて詳しく解説します。
休業損害とは何か?その基本をおさらい
休業損害とは、交通事故などによって仕事を休まざるを得なかった期間中に、本来得られるはずだった収入が補償される制度です。会社員やアルバイトだけでなく、自営業者も対象となります。
一般的には、保険会社が被害者に「休業損害証明書」を送付し、それを勤務先が記入・捺印して返送することで審査が進みます。金額の計算は、直近の給与明細や勤務実績をもとに行われます。
実際にあった「振込額のミス」事例
たとえば、アルバイトで1日あたりの収入が約1万円で、事故により5日間休んだ場合、合計5万円の補償が妥当です。しかし、勤務先が誤って10日分と記載した場合、10万円が振り込まれることがあります。
また、保険会社が「確認が取れない部分はひとまず支払う」と判断し、実際の金額より多く振り込むこともあります。このようなミスは、保険会社や勤務先の人為的なミスに起因することが多いです。
過払い分があった場合の正しい対処法
振込額が明らかに多かった場合、まずは保険会社に連絡しましょう。「過払い」が発覚しても、慌てずに事実関係を確認することが重要です。保険会社側も事情を把握していないことがあります。
原則として、過払い金は返金する必要があります。ただし、ケースによっては「再精算」や「次回の支払いで調整」など柔軟な対応がされることもあります。必ず指示を仰ぎ、勝手に返金しないようにしましょう。
返金時の注意点と確認すべきこと
返金を求められた場合は、必ず保険会社からの正式な指示(書面またはメール)をもらいましょう。口頭だけのやりとりではトラブルのもとになります。
返金方法としては、指定口座への振込や、次回支払い時の相殺などが考えられます。また、返金した際は必ず振込明細を保存しておくことが大切です。後日トラブルになったときの証拠になります。
会社の記載ミスだった場合の責任は?
会社側の記載ミスによって休業日数や金額が誤って申請された場合でも、原則として被害者本人が責任を問われるわけではありません。ただし、ミスを放置すると詐欺とみなされる可能性があるため、速やかに報告・対応することが求められます。
勤務先にも状況を伝え、必要であれば修正済みの休業損害証明書を再提出してもらうとスムーズです。保険会社と勤務先の間で連携を取ってもらうことがポイントになります。
まとめ:慌てず、丁寧な対応を心がけよう
交通事故後の補償に関しては、当事者に非がなくてもトラブルが起こる可能性があります。休業損害が多く振り込まれた場合も、まずは冷静に状況を確認し、保険会社に連絡して指示を仰ぎましょう。
記載ミスや計算違いは起こり得ることです。誠実な対応を心がけることで、不要なトラブルを避け、スムーズに解決へと導くことができます。