離婚調停中に相手の主張が変わるときの対応と慰謝料請求を確実にするための法的手段

離婚調停中に相手の態度が一貫せず、支払い条件などが二転三転する場合、精神的にも大きな負担になります。この記事では、調停で合意が難航しているケースや、慰謝料を確実に回収するための方法について、法的な視点を交えてわかりやすく解説します。

調停と裁判は同時進行できるのか?

家庭裁判所での離婚調停では、原則として「調停離婚」を目的としており、離婚と慰謝料などの付随事項もまとめて話し合うことが可能です。しかし、調停で合意に至らなかった場合、「調停不成立」として、離婚訴訟や慰謝料請求の民事訴訟へ移行することになります。

離婚調停と慰謝料請求訴訟を同時に進めることも技術的には可能ですが、裁判所の判断によって一方が待機状態になることもあるため、弁護士と戦略的に進める必要があります。

慰謝料を確実に回収するには公正証書を活用

慰謝料を分割で支払うと相手が言った場合、公正証書を作成しておくことで、支払いが滞ったときに強制執行が可能になります。口約束や紙の合意書だけでは、支払い拒否された際に実効性がありません。

公正証書には「強制執行認諾約款」を盛り込むことが重要です。これにより、裁判なしで相手の給与や財産を差し押さえることが可能になります。

保証人をつけることの法的意味と注意点

慰謝料の支払いについて、保証人(連帯保証人)をつけることで、仮に相手が支払わなかった場合でも保証人に請求できます。これは非常に有効な手段ですが、相手方の家族が本当に保証する意思があるのか、署名や印鑑を伴って明確に確認しておくことが不可欠です。

保証人をつけた契約も、公正証書に明記することで、保証人に対する強制執行も可能になります。

離婚が成立すると慰謝料請求はできなくなるのか?

離婚が成立しても、慰謝料請求自体は可能です。ただし、離婚時に慰謝料を放棄したとみなされるような合意文書がある場合、後からの請求が困難になる場合があります。

調停や裁判においては、必ず「慰謝料を請求する意思がある」ことを文書で残し、離婚の成立前に慰謝料の取り決めも明記しておくのが望ましいです。

調停から訴訟へ移行する場合のポイント

調停で相手の主張が安定せず、合意に至らない場合は、調停不成立となり、家庭裁判所に訴訟を提起することが可能です。離婚訴訟では、夫婦関係破綻の理由や慰謝料の妥当性を証拠に基づいて主張します。

離婚裁判に進んだ場合でも、途中で和解となることもありますが、裁判は時間と費用がかかるため、調停段階で実効性ある合意を目指すのが最善です。

離婚調停における戦略的アドバイス

交渉においては、以下の点を意識することで有利に進めることが可能です。

  • 相手の発言はすべて記録し、証拠として残す
  • 調停委員や裁判官に対して論点を整理して伝える
  • 慰謝料や財産分与については弁護士と連携し具体的な金額と根拠を提示する
  • 感情的にならず、交渉に徹する

特に支払い能力や過去の不誠実な行動がある場合は、分割払いより一括または公正証書の利用を強く求めましょう。

まとめ:慰謝料請求を確実にし、後悔のない離婚へ

離婚調停中の相手の主張の変化はよくあることですが、重要なのは「合意内容を文書で残すこと」と「法的効力のある形にすること」です。慰謝料請求については、公正証書の作成や保証人の確保によって支払いの確実性が高まります。

最終的には調停で合意できれば円満ですが、困難な場合は裁判に進むこともやむを得ません。後悔しないためにも、専門家の力を借りながら、自分の権利を守る準備をしておきましょう。

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