交通事故後の治療では、整形外科での定期的な診察が重要とされます。特に、接骨院への通院を併用している場合、整形外科での診断が医療費補償や慰謝料の根拠になるため、保険会社から「月1回は整形外科に行ってください」と指示されることがあります。本記事では、月1回の整形外科通院に数日遅れてしまった場合の保険への影響や注意点について解説します。
なぜ保険会社は「月1回の整形外科通院」を求めるのか
保険会社は、接骨院（整骨院）だけの通院では「医学的根拠がない」として治療費の支払いを拒否することがあります。整形外科での診断書や経過観察があることで、治療の正当性が裏付けられるため、月1回の診察を求めるのです。
また、通院が不定期になった場合、「症状が軽快した」と判断されて後遺障害認定が不利になったり、慰謝料の支払いが打ち切られる可能性もあるため、整形外科の受診は重要視されています。
月1回の通院が5日遅れた場合の影響
結論から言うと、月1回の通院が数日程度遅れたからといって、すぐに保険対応に悪影響が出るケースは少ないです。保険会社も多少のズレについては実務上許容しており、「お盆休み」や「診療日調整」といった理由があれば、問題なく処理されることが多いです。
ただし、あまりにも毎月の通院が大幅にズレる、あるいは2か月空いてしまうような場合は、「治療意思がない」と判断されることもあるため注意が必要です。
リスクを最小限に抑えるには
保険会社と円滑にやりとりするには、通院予定日を事前に調整しておくのが安心です。どうしても日程が合わず、通院が5日ほど遅れる場合でも、理由を保険会社に簡単に説明しておくとトラブルを避けられます。
たとえば、「通院先の休診日が重なった」「仕事の都合で翌週になった」など、納得できる説明があれば問題視されることはほぼありません。
実例：数日遅れたが問題なく補償されたケース
ある交通事故被害者は、整形外科への通院を「毎月25日」と決めていましたが、7月だけは仕事の都合で30日にずれました。保険会社にその旨を事前に電話で伝えたところ、「問題ありません」と言われ、通院実績として正式にカウントされ、慰謝料支給にも影響は出ませんでした。
このように、事前の説明と通院の継続性がポイントです。
接骨院通いと整形外科の役割の違い
接骨院では主に手技による施術が中心で、医師による診断や薬の処方はできません。一方で、整形外科は医学的な検査と診断を行えるため、保険会社や後遺障害の認定にも強く関わります。
そのため、週に複数回接骨院に通う場合でも、整形外科での月1の受診を怠らないようにすることが重要です。
まとめ：通院日が多少ずれても焦らず適切に対応しよう
月1回の整形外科通院は、事故後の治療を継続している証明にもなります。今回のように5日程度のずれであれば、保険対応に大きな影響を与えることは少ないでしょう。ただし、通院が途切れたり、定期性が失われると誤解されないよう、必要に応じて保険会社へ連絡し、状況を説明しておくと安心です。
「通院を継続する姿勢」と「柔軟な報告」が、トラブル回避の鍵になります。