信じていた相手が既婚者だった――この事実を知ったときの衝撃は計り知れません。婚約という人生の節目に関わる重要な関係が嘘によって築かれていた場合、精神的苦痛に加え法的な問題も発生します。この記事では、そうした状況に直面したときの適切な対処方法、特に弁護士への相談や法的救済について解説します。
既婚者と知らずに交際・婚約した場合の法的立場
相手が既婚であることを隠し、未婚を装って婚約していた場合、それは民法上の婚約不当破棄や詐欺行為に該当する可能性があります。婚姻届が不受理となったという事実は、第三者である行政機関が相手の既婚状態を確認した結果であり、法的証拠として非常に有力です。
このようなケースでは、損害賠償請求(慰謝料)の対象にもなり得ます。特に精神的苦痛が大きく、生活や健康に支障をきたしている場合は、その損害も含めて請求することが可能です。
弁護士に相談する際に伝えるべきこと
弁護士相談では、事実関係を冷静に時系列でまとめて伝えることが大切です。以下のような情報を準備しておくと、スムーズに対応が進みます。
- 交際・婚約期間とその経緯
- 婚姻届提出・不受理の通知について
- 元妻とのLINE履歴や、本人の虚偽説明の内容
- 婚約によって変化した生活(転居・仕事変更など)
- 精神的・身体的な影響(通院・睡眠障害など)
証拠がそろっている場合、弁護士は慰謝料請求・内容証明送付・交渉代理などを行ってくれます。
法的手段で請求できる可能性があるもの
次のような法的手段が考えられます。
- 慰謝料請求:精神的苦痛に対する賠償
- 婚約不当破棄による損害賠償:信義に反した婚約解消
- 詐欺・不法行為による損害賠償:意図的な虚偽による被害
また、弁護士を通じて相手の配偶者への接触を避けるかどうかも相談できます。
相談先としての「法テラス」の活用
経済的負担を軽減しながら法的アドバイスを受けたい方は、法テラスの無料相談を利用することをおすすめします。法テラスでは、収入条件を満たす方に対して無料相談や弁護士費用の立替制度を提供しています。
予約時には「婚約者が既婚者であったことに対する慰謝料請求の可否について相談したい」と明確に伝えると、適切な専門弁護士に繋がりやすくなります。
精神的に苦しいときの支援の受け方
信頼していた相手に裏切られたショックから、うつ状態や適応障害になるケースも少なくありません。可能であれば、心療内科やカウンセリングの受診も視野に入れ、自身の心と体を守ることを最優先にしてください。
また、身近な信頼できる家族や友人に相談することも心の支えになります。孤独に戦おうとせず、周囲のサポートを得ることは決して恥ではありません。
まとめ:嘘を見抜けなかった自分を責めないで
嘘をつかれたことで人生を翻弄されてしまった経験は、決してあなたのせいではありません。信じたいという思いは人として自然な感情です。その気持ちに漬け込んだ相手こそが悪質です。
今後の人生を取り戻すためにも、まずは法的な手続きと心のケアを丁寧に進めていきましょう。弁護士との相談を通じて、正当な権利を守りながら、新しい一歩を踏み出す勇気がきっと生まれます。