SNSのブロック行為で裁判沙汰になることはあるのか?法的観点から解説

現代社会では、SNSを通じた人間関係のトラブルが日常的に発生しています。中でも「ブロック」行為は簡単にできる一方で、感情的な摩擦の原因にもなりがちです。では、SNS上でブロックされたことが理由で裁判に発展するケースはあるのでしょうか?この記事では、法的な視点からその可能性と事例を検証していきます。

SNSのブロックは個人の自由

Twitter(X)やInstagram、FacebookなどのSNSでは、利用者が他者をブロックする権利が利用規約で明確に認められています。これは自身のオンライン空間を守るための措置として正当とされており、一般的には法的責任を問われることはありません。

ブロックが原因で裁判になることは、極めて稀であると言えるでしょう。ただし、周辺事情によっては問題が複雑になる可能性もあります。

実際にあったトラブル事例

過去には、ブロックされたこと自体ではなく、ブロックをきっかけに名誉毀損や侮辱、誹謗中傷に発展したケースが訴訟に発展した事例があります。たとえば、以下のようなパターンが見受けられます。

  • ブロック後に投稿されたツイートで実名やアカウント名を名指しして非難
  • ブロックを逆恨みして、相手の職場や家族に悪評をばらまく
  • DMやリプライを複数アカウントで送り続けるストーカー行為

このように、ブロックそのものではなく、その後の対応次第で法的トラブルに発展するリスクがあるのです。

「精神的苦痛」や「信用毀損」などで訴えられる可能性は?

ごく稀に、ブロックされたことに対して「精神的苦痛を受けた」と主張し、慰謝料請求を行うような民事訴訟が提起されるケースもあります。ただし、日本の裁判所はこのような訴えに対しては極めて慎重で、明確な不法行為や損害の立証がなければ認められることはほとんどありません

また、ブロック自体が「社会的信用を失わせた」とする主張も見られますが、これも不特定多数への公開が前提となる名誉毀損とは性質が異なるため、認められにくいのが現実です。

ブロックを巡る感情的な反応と法的リスク

感情的になって「ブロックされた理由を説明しろ」と迫ったり、複数アカウントで接触を試みる行為は、ストーカー規制法や業務妨害罪に該当する可能性があるため、逆に訴えられるリスクを伴います。

相手の対応に不満があっても、冷静に距離を取るのが最善の選択です。SNSの設計自体が「不要な関係を断ち切る自由」を前提にしていることを理解しましょう。

万が一訴えられたらどうすべきか

SNSのブロックを理由に裁判になったという通知が来た場合は、一人で抱え込まず、すぐに弁護士に相談することが重要です。事実確認や証拠の保存、誤解の解消に向けた準備を専門家と進めましょう。

弁護士ドットコムや法テラスなどでは無料相談も可能です。早めの対応がトラブルの拡大を防ぎます。

まとめ:ブロックは「当然の権利」、ただし感情的な対応はNG

SNSで誰かをブロックする行為は、利用者の権利であり裁判になることは基本的にありません。ただし、ブロックされたことをきっかけに過剰な反応を取れば、かえって自分が加害者と見なされる恐れがあります。

インターネット上のトラブルは、些細なきっかけから法的問題に発展することもあるため、常に冷静な対応と法的知識を持って行動しましょう。

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