NHKから突然届いた高額請求──契約者変更後に過去の未払い分を請求されたときの対応方法と時効の考え方

突然NHKから高額な請求書が届き、「なぜ今さら?」と困惑される方は少なくありません。特に親族の契約を引き継いだ後などは、過去の受信料未払いについて自分に責任があるのかどうか、判断がつきにくいケースもあります。本記事では、NHKの請求に関する法的根拠や時効、実際に支払いが必要な場合とそうでない場合について詳しく解説します。

NHKの受信料請求の根拠とは?

NHKは放送法に基づいて、テレビなどの受信機を設置している世帯に対し、受信料の支払いを求めることができます(放送法第64条)。契約書が存在しなくても、受信機の設置が確認されれば法的には契約が成立したとみなされる余地があります。

過去の未払い分についても、契約が有効であると判断されれば、未納分を請求されることがあります。ただし、相手が契約者本人ではなく、例えば親族の場合には、その請求の正当性には疑義が生じます。

相続や契約変更後に過去分を請求された場合

今回のように、祖父が亡くなり、契約者を孫であるあなたに変更した場合、原則としてあなたが祖父の未納分を支払う義務はありません。NHKとの契約が新たに結ばれたとみなされるため、過去の契約に基づく債務(受信料)は引き継がれないのが一般的な考え方です。

ただし、NHK側が過去の使用状況などをもとに「事実上の継続」と判断して請求してくるケースもあり、その場合は文書での正式な異議申し立てが必要になることがあります。

NHK受信料の時効は5年──ただし注意点も

受信料の時効は民法上5年とされており、最後の請求から5年以上経過している未納分については、「消滅時効の援用」を主張することで支払いを免れる可能性があります。

ただし、単なる「時効だから払わない」という意思表示だけでは不十分で、書面での明確な意思表示を行うことが必要です。また、話し合いや一部支払いを行うと「時効の中断」と見なされることもあるため注意が必要です。

NHK職員の説明と後日の請求の矛盾

以前にNHK職員が「過去分は不要、これからでよい」と説明した場合、それが録音・録画などで記録されていれば、請求の無効を主張できる材料になる可能性があります。

ただし、口頭のやりとりのみの場合は証明が難しく、NHK側が記録を持っていない限り、言った言わないの争いに発展する可能性もあるため、慎重に対応しましょう。

無視はNG!適切な対応方法とは?

NHKからの請求を無視していると、簡易裁判所を通じた「支払督促」や「訴訟」に発展することもあります。そうなれば対応に時間も手間もかかり、心理的にも大きな負担になります。

請求内容に納得できない場合は、まずNHKふれあいセンターに連絡して詳細を確認し、それでも不当と感じた場合は、法テラスなどで法律相談を受け、正式に異議申し立てや時効援用通知書を提出するのが望ましいです。

まとめ:請求内容の正当性を冷静に判断し、時効や契約者の変更状況に基づいて対応を

NHKからの高額請求があった場合、まずは「契約者が誰だったのか」「いつから契約されていたのか」「過去のやりとりで合意された内容は何か」を明確にすることが大切です。そのうえで、時効や契約引継ぎの有無、法的根拠に照らして、支払いの要否を判断しましょう。

不安な場合は、消費生活センターや法テラスに相談し、必要に応じて弁護士の助言を受けて、適切な書面対応を進めることがトラブル回避のカギとなります。

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