交通事故で調書を取られたら示談はできない?示談との関係や注意点をわかりやすく解説

初めての交通事故では、警察での手続きや示談交渉について不安になる方が多いです。特に「調書を取られた=もう示談はできないのか?」という疑問はよくあるものです。この記事では、警察での調書作成と示談交渉との関係について、法律的な観点から丁寧に解説します。

警察の調書は「捜査の一環」であり示談とは別物

交通事故の発生後、警察は事故の内容を把握するために「実況見分」や「事情聴取」を行い、その内容を調書にまとめます。これは事故の原因を明らかにするための行政上または刑事上の手続きです。

つまり、調書は事故処理のための記録であり、「示談する・しない」とは直接関係ありません。調書を取られたからといって示談ができなくなるわけではないので、安心してください。

示談はいつでも可能?調書後でも進められる

示談は、被害者と加害者の間で話し合って解決を図る民事上の手続きです。調書を取られた後でも、捜査段階・送検前・起訴前など、さまざまな段階で示談は可能です

むしろ、起訴される前に示談が成立していれば、検察が不起訴処分にする可能性が高まることもあります。特に物損事故や軽微な人身事故の場合、示談が成立していれば処罰を受けないことも珍しくありません。

調書を拒否するとどうなる?

調書への署名は「任意」であり、強制ではありません。ただし、署名しないことで警察が事故状況を正確に把握できず、刑事処分や保険請求に影響が出ることもあります。

もし内容に納得できない場合は、訂正を求めたり「この内容には同意できません」と明記した上で署名する方法もあります。無理に署名せず、納得できる形で対応しましょう。

示談成立のメリットとは?

示談が成立すると、以下のようなメリットがあります。

  • 刑事処分の軽減:検察が不起訴とする可能性が高くなる。
  • 損害賠償の確定:民事上の請求(治療費・修理代など)が明確に整理される。
  • 精神的負担の軽減:早期解決により、双方のストレスを軽減できる。

示談書には必ず「今後この件について一切の請求をしない」といった条項を盛り込むことで、トラブル防止にもつながります。

実際のケース:調書後に示談で解決した事例

40代会社員の男性が、駐車場内で軽く接触事故を起こし、警察に報告後に調書を作成。数日後、相手方から修理代とお詫び金として示談金を提示され、双方が納得して示談が成立。結果として、検察への送致も不起訴となり、保険対応もスムーズに進みました。

このように、調書が作成されても柔軟な話し合いによって、事故処理を円満に終わらせることは可能です。

まとめ:調書作成と示談は両立できる

交通事故後の調書は、あくまで警察の記録であり、示談とは別の手続きです。調書が取られた=示談できないということではありません。むしろ、調書があるからこそ事実関係が明確になり、示談交渉も進めやすくなります。

初めての事故で不安な場合は、弁護士や保険会社の担当者に相談しながら、冷静に進めていきましょう。

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