弁護士からの連絡が遅いときの対処法と見極めポイント｜相続・査定依頼の進め方

相続に関する問題や不動産査定などで弁護士に相談したものの、なかなか連絡が来ない、進捗がわからないという悩みを抱える方は少なくありません。この記事では、弁護士からの連絡が遅い場合の適切な対応方法や判断基準について解説します。

弁護士の対応が遅いのはよくあること？その理由とは

弁護士が依頼者との連絡に時間を要する理由はさまざまです。代表的なものとしては、優先順位の高い案件の対応に追われていること、専門家や関係機関との連携に時間がかかっていること、または初回相談段階で正式な契約に至っていないため後回しになっていることが挙げられます。

例えば、刑事事件や差し迫った訴訟対応など緊急性の高い案件を抱えていると、相続関連の相談が後回しになる可能性は十分にあります。また、土地の査定など調査が必要な案件では、調査先や評価機関との日程調整に時間がかかることも少なくありません。

まだ正式に委任契約を結んでいない場合、弁護士側は業務としての優先度を下げることがあります。つまり、「相談」は受けたものの、「業務」としてまだ始まっていないため、進捗の連絡が遅れるケースが多くなります。

このような場合は、契約の意志があるかどうかを明確に伝えることで対応が変わることがあります。例えば「正式にお願いしたいので、いつ頃までに対応可能か教えていただけますか？」といった形で連絡を取ると、相手も業務としての認識を持ってくれる可能性が高まります。

弁護士からの連絡が極端に遅く、数週間以上放置されている場合や、進捗の説明が不明瞭で不安が大きいと感じるなら、他の弁護士への相談を検討するのも一つの手です。

判断のポイントとしては、「明確な期限を提示されない」「連絡しても返信がない」「進捗が曖昧」などが挙げられます。信頼関係の構築が難しいと感じたときは、セカンドオピニオンとして別の弁護士に状況を話してみることも重要です。

進捗確認の際に気をつけたいのは、催促ではなく「確認」というニュアンスで伝えることです。例えば、「前回のご連絡から一定期間が経過したため、進捗状況について教えていただけますと幸いです」など、丁寧かつ配慮ある言い回しが望ましいでしょう。

また、電話よりもメールの方が記録が残るため、相手にとっても確認しやすく、冷静な対応を促せる可能性があります。やりとりの履歴が残ることで、後々のトラブル防止にもつながります。

信頼できる弁護士を見極めるには、初回相談の際の対応や説明の丁寧さ、業務の進め方の説明が明確かどうか、そして定期的な進捗報告の有無などが大きなポイントです。

口コミサイトや弁護士会の紹介制度を利用して、複数の弁護士と面談を行い、自分に合った相手を探すことが望ましいです。また、相続分野に強い弁護士を選ぶことで、専門的な助言を得られる確率も高まります。

相続や土地の査定などの相談において、弁護士からの連絡が遅いことは必ずしも異常とは限りませんが、進捗が不透明なまま長期間経過している場合は、適切な確認や見切りをつける判断も必要です。

大切なのは、弁護士との信頼関係と明確なコミュニケーションです。状況に応じて丁寧に連絡を取りつつ、場合によっては他の弁護士への相談も視野に入れることで、より良い対応と安心を得られるでしょう。