匿名掲示板やSNSでの誹謗中傷、特に個人が特定できるような内容が書き込まれた場合、被害者は深刻な精神的苦痛を受けることがあります。中でも、源氏名・学校名・部活動といったプライベートな情報が晒されると、実生活にも影響を及ぼす可能性があります。本記事では、掲示板への書き込みによる個人情報漏洩や名誉毀損にどのように対処すべきか、法的観点と実務の両面から詳しく解説します。
掲示板で個人情報が晒されることの違法性
掲示板に個人情報を無断で書き込む行為は、「プライバシーの侵害」や「名誉毀損」に該当する可能性があります。特定の人物とわかる内容で、社会的評価を低下させたり、精神的苦痛を与える内容であれば、民事・刑事両面での責任を問うことができます。
特にメンズエステ勤務歴など私的な過去や学校名などの個人情報を晒す行為は、本人の社会的信用を傷つける意図があるとされ、違法性が強いと判断されます。
削除依頼とログ保存のタイミング
まず行うべきは掲示板の管理者に対する「削除依頼」です。バクサイなどの掲示板には削除申請フォームが設けられており、該当するURL・投稿内容・被害の内容を記載して申請します。
一方、法的措置を検討する場合には、「証拠保全」としてスクリーンショットや書き込み日時、URLなどを詳細に保存しておくことが極めて重要です。
投稿者の特定には開示請求が有効
書き込みをした人物を特定するには、「発信者情報開示請求」という手続きを取ります。これは、プロバイダ責任制限法に基づいて、掲示板の運営会社やサーバーの管理者に対して、IPアドレスやアクセス記録などの情報を開示してもらう法的手続きです。
この請求は、通常弁護士を通じて行うため、事前に法律相談を受けるのが確実です。多くの弁護士事務所ではネット誹謗中傷案件を専門に扱っており、無料相談を受け付けているところもあります。
開示後に行える損害賠償請求や刑事告訴
発信者が特定された場合、名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害などに基づく「損害賠償請求」が可能です。精神的苦痛に対する慰謝料として数十万円〜百万円単位の請求が認められた事例もあります。
また、明確な悪意や継続性があれば「刑事告訴」も選択肢となり、名誉毀損罪（刑法230条）や侮辱罪（刑法231条）として警察に被害届を出すことが可能です。
弁護士への相談は早期の対応がカギ
個人情報の書き込みはエスカレートすることも多く、放置するほど深刻化します。早期に弁護士へ相談し、状況に応じた適切な対応を取ることが非常に重要です。
特に、弁護士ドットコムなどの法律相談サイトを活用すると、実績ある弁護士に匿名で相談しやすくなります。
まとめ：放置せず、証拠保存と法的対処を
匿名掲示板で個人情報が晒される行為は決して許されるべきではありません。適切な手順としては、①証拠保存 → ②削除依頼 → ③開示請求 → ④損害賠償または告訴という流れが基本となります。
被害に遭った場合には「自分のせい」と思い込まず、法的保護を受けるために一歩踏み出すことが大切です。専門家の力を借りて、冷静かつ確実な対処を心がけましょう。