給料の未払いは働く人にとって深刻な問題であり、生活に直接的な影響を与えます。万が一、会社からの給与が振り込まれない場合、法的にはどのような権利があり、どう対処すべきなのでしょうか。本記事では、労働法の観点から給料未払いの違法性や損害賠償の可能性、実際の対処法まで詳しく解説します。
給料の未払いは労働基準法違反にあたる
日本の労働基準法第24条では、「賃金は毎月1回以上、一定の期日に全額を支払わなければならない」と明記されています。このため、給料日を過ぎても支払いがなければ、原則として違法です。
特に、退職後であっても給与の支払い義務は残るため、「在籍していないから支払わない」といった会社の対応は認められません。
未払いによる損害は請求できる?
もしも給料の未払いによって、クレジットカードやローンの支払いが遅れ、延滞金が発生したり信用情報に傷がついた場合、それによる損害は「債務不履行による損害賠償」として会社に請求できる可能性があります。
ただし、その因果関係(給料が払われなかったことによって直接的に損害が生じた)を証明する必要があり、資料や証拠の整備が重要です。
慰謝料請求も可能なケースとは
給料未払いに加えて、上司からの暴力・パワハラなどの精神的損害があった場合は、慰謝料請求も視野に入ります。特に、暴力行為が警察沙汰や刑事事件レベルである場合、民事上の損害賠償請求と併せて進めることが可能です。
その際は弁護士に相談し、診断書やLINEのやり取り、音声などの証拠を提出できるよう準備しておくと有利です。
会社からの連絡が途絶えている場合の対応
会社からの連絡が途絶えたり、弁護士経由でも反応がない場合には、次のようなステップが考えられます。
- 内容証明郵便で催促する
- 労働基準監督署に相談・申告する
- 労働審判や少額訴訟を起こす
いずれの手段も「書面での証拠」「勤務実態」「給与額」「未払い分の記録」が必要になるため、過去の給与明細やタイムカード、雇用契約書などを揃えておきましょう。
弁護士が対応している場合の留意点
すでに退職代行弁護士に依頼している場合は、基本的にはその弁護士が会社とやり取りを進めることになります。返信が遅れている場合は、再度連絡を取り、進捗状況の確認をしましょう。
また、弁護士報酬が「成功報酬型」の場合、支払回収まで対応してもらえるか契約内容を再確認しておくことも重要です。
まとめ:給料未払いは違法、泣き寝入りせず法的手続きを
給料の未払いは明確に違法です。損害賠償や慰謝料を請求できる可能性も十分にありますが、証拠と適切な手続きが不可欠です。弁護士や労基署などの公的機関を積極的に活用し、適正な賃金を取り戻すための行動を早めに起こしましょう。