引っ越し後に業者へ電話番号を登録したことで、思いがけず他社からの営業電話が増えて困った経験はありませんか？この現象の背景には、個人情報の取り扱いや企業のマーケティング体制に関する問題があります。この記事では、なぜ引っ越しのタイミングで電話番号が他社に渡るのか、合法性や対策について解説します。
引越し時に情報が漏れる仕組み
引越しでは、不動産会社、電気・ガス会社、引越し業者、インターネット回線事業者など、さまざまな企業と情報を共有する必要があります。これらの企業の一部は、提携先や関連サービスの紹介を目的として、取得した電話番号を外部に共有するケースがあります。
たとえば、不動産会社が引越しに関連するサービス（ウォーターサーバー、インターネット回線など）を紹介するために、情報を提携業者に渡すことがあります。これは「情報提供に同意しますか？」という書面やチェックボックスが契約書類に含まれている場合が多く、意識せず同意してしまうこともあります。
情報共有は違法ではないのか？
個人情報保護法では、企業が第三者に個人情報を提供するには、本人の同意が必要です。ただし、契約時の書類や申込みフォームに記載されている利用目的に「提携会社への提供」が明記されており、利用者がそれに同意している場合は違法とは言えません。
つまり、ユーザーが自覚のないまま同意した形になっていることが問題の根源であり、企業としても「法的にはグレーゾーン」ではなく「合法」だと主張することが可能です。
迷惑電話業者と反社との違い
一部の人は「ヤクザと変わらない」と感じるかもしれませんが、企業の情報共有や営業活動自体は法に基づいた範囲で行われている限り、反社会的勢力とは異なります。ただし、しつこい営業や本人の意思を無視した連絡が続く場合、特定商取引法や迷惑防止条例に抵触する可能性もあるため、消費者センターなどへ相談する余地はあります。
逆に、詐欺や強引な勧誘、本人が拒否しているにもかかわらず情報が売買されているといった場合は、消費者被害や個人情報の不正利用とみなされる可能性があります。
営業電話を止める具体的な対策
- 情報提供の同意を確認する：引越し時に交わした契約書類を再確認し、第三者提供への同意項目を見直す。
- オプトアウトを申し出る：営業をかけてきた企業には「個人情報の削除」「今後の連絡を停止」を明確に伝えましょう。
- 迷惑電話ブロックアプリの導入：スマホでは「Whoscall」や「Truecaller」などを活用することで、業者電話を自動識別できます。
- 消費生活センターへ相談：しつこい業者がいる場合、消費者庁や消費生活センターに相談して指導を仰ぐのも有効です。
個人情報を守るためにできること
今後、引越しや各種申込を行う際には、書類に含まれる「利用目的」「情報提供に関する同意文」をしっかり確認し、不要なチェックを外すことが重要です。また、企業によってはオプトアウト（情報提供拒否）の窓口がある場合もあるので、積極的に連絡を取りましょう。
また、可能な限り連絡先を使い分ける（引越し関係は別番号を使用するなど）ことでリスクを減らすことも検討できます。
まとめ：電話番号の漏洩は「合法的」でも対策可能
引越し時に発生する電話番号の漏洩問題は、必ずしも違法行為ではありませんが、知らないうちに情報が流通してしまうことが大きな問題です。しっかりと契約内容を確認し、必要な措置を講じることで、個人情報を守ることができます。
万が一しつこい営業や不当な勧誘があった場合は、適切な窓口に相談することで、今後の被害を防ぐことができます。