背骨骨折後の選択肢|自然治癒とボルト固定手術の比較と判断基準

交通事故や転倒などで背骨を骨折した場合、主治医から「自然治癒を目指すか」「ボルトを使った手術を行うか」という選択を迫られることがあります。この記事では、それぞれの選択肢について、医療的な観点と生活面の影響を交えてわかりやすく解説します。

自然治癒による回復とは

自然治癒とは、固定具や装具(コルセットなど)を使いながら、身体が本来持つ回復力に任せて骨が再生するのを待つ方法です。保存療法とも呼ばれます。

この治療法のメリットは、手術によるリスク(麻酔、感染など)がなく、入院期間も比較的短い点です。ただし、骨のずれが残ると後遺症が残る可能性があり、長期的に背中や腰の痛みが続くこともあります。

ボルトによる固定手術とは

一方、ボルト(スクリュー)やロッドを用いた外科的手術では、骨を物理的に固定して安定性を高める方法です。一般的に、脊椎固定術と呼ばれます。

この治療法の最大の利点は、骨折部分のずれや動揺を防ぎ、安定した状態で回復を促すことです。ただし、手術には当然ながら麻酔のリスク、出血、感染などの危険性があり、入院・リハビリ期間も長くなりがちです。

それぞれの選択肢のメリットとデメリット

治療法 メリット デメリット
自然治癒 手術不要・身体への負担が少ない 骨癒合が不安定になりやすい/再骨折の可能性
ボルト手術 骨の安定性が高い/早期にリハビリが始められる 手術リスクあり/体内に金属が残る可能性

判断に迷う場合のポイント

どちらを選ぶかは、骨折の程度・骨のずれの有無・神経圧迫の有無・年齢・生活スタイルによって異なります。軽度の圧迫骨折であれば、保存療法が選ばれることが多く、椎体の崩壊や神経症状がある場合は手術が推奨されます。

たとえば、「背骨が潰れて神経を圧迫している」ケースでは、手術を選ばないと歩行困難が残ることもあります。

実例:20代と60代、それぞれの選択

20代男性でスポーツ復帰を希望するケースでは、手術を選び、6ヶ月で競技復帰した例があります。

一方、60代女性で日常的に外出が少ない方は、保存療法を選び、1年かけて痛みを和らげるリハビリ中心の治療で回復に向かいました。

医師とのコミュニケーションの重要性

最終的には主治医との信頼関係が重要です。不安な点や疑問点は遠慮せずに質問し、セカンドオピニオンを受けるのもよい選択肢です。

医療の専門用語や統計ではなく、「自分の生活にどう影響するか」を軸に考えることで、納得のいく判断ができるでしょう。

まとめ

背骨骨折の治療は、自然治癒とボルト固定手術の2択だけではなく、個々の状況によって最適解が異なります。痛み・安定性・生活スタイル・将来の不安を総合的に考慮し、主治医とよく相談しながら判断することが大切です。

どちらの治療を選ぶにしても、リハビリと日常生活の注意が回復を左右する大きな要素になります。

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