車の乗り降りの際にうっかり隣の車にドアをぶつけてしまう「ドアパンチ」。加害側としては誠意ある対応が求められますが、相手が「大丈夫」と言った場合や、修理しないと言われた場合にどこまで対応すべきか、示談金は必要かなど疑問が残るケースも多いです。本記事ではその対応のポイントを解説します。
ドアパンチをしてしまったら最初に取るべき行動
まず、ぶつけた事実を相手に正直に伝え、連絡先を交換します。その場で警察を呼ぶことも法的には義務ではありませんが、後のトラブル防止のために「物損事故」として記録してもらうことが推奨されます。
また、損傷の状態を写真で記録し、やりとりはできる限りLINEやメールなど文字で残る方法で行うのが望ましいです。口頭の「大丈夫です」は法的拘束力を持たないため、後から請求された際の証拠になりにくい点に注意が必要です。
相手が修理しない場合はどうなる?
相手が「修理しない」と言ったとしても、損害がある以上は賠償責任が残ります。修理しない代わりに「示談金(慰謝料・補償金)」という形で解決を求められることもあります。
この場合、支払う義務があるかどうかは金額の妥当性と、故意・過失の程度によりますが、話し合いで「示談書」を取り交わすことで今後の請求リスクを抑えることができます。
示談金の提示があった場合の対応方法
相手から「修理しないけど示談金を」と提案された場合は、金額が相場から逸脱していないかを確認し、納得の上で支払うなら示談書を必ず作成しましょう。
示談書には以下のような内容を盛り込みます。
- 事故の発生日時と状況
- 示談金額と支払い期日
- これ以上の請求をしないことを明記
- 両者の署名・捺印
不安がある場合は、自動車保険会社や弁護士に相談するのも有効です。
自動車保険(対物賠償)での対応も可能
ドアパンチであっても、自動車保険の「対物賠償責任保険」が適用される可能性があります。等級ダウンや自己負担分の発生はあるものの、示談交渉も保険会社が代行してくれるため安心です。
特に相手との話し合いに不安がある場合や、金額に折り合いがつかない場合には保険の利用を検討するのが良いでしょう。
トラブルを防ぐためのポイント
たとえ軽微な損傷でも、相手が怒っていなくても、きちんと記録とやりとりを残すことが重要です。後から主張が変わるケースもあり、「言った・言わない」の争いになってしまうと不利になる可能性もあります。
また、謝罪の意思を伝えることは大前提としても、感情的にならず冷静に対応することが円満解決への第一歩です。
まとめ:示談金の対応は慎重に、書面での合意が鍵
ドアパンチによる損害が軽微で修理しない場合でも、示談金の提示があった際には対応を間違えると後々のトラブルに発展する可能性があります。相手との合意内容を示談書で明確にし、必要に応じて保険会社や専門家のサポートを得ることで、安心して問題解決へと進めることができます。