交差点や住宅街などで起きがちな「軽い接触事故」。特に車と自転車との間で起きた場合は、双方が驚きや動揺から冷静な対応を取れないこともあります。しかし、例え軽微でも「交通事故」であることには変わりなく、適切な対応が求められます。本記事では、軽微な接触があった際にすべき対応と、通報の要否、後から通報することの意味について詳しく解説します。
軽い接触でも「事故」として扱われる理由
道路交通法では、車と自転車、歩行者などが接触した場合、それがたとえ損傷が目に見えないほど軽微であっても「交通事故」に該当します。運転者が相手の健康状態や車体の損傷などを自己判断してはいけません。相手が「大丈夫」と言っていても、時間が経ってから症状が出る可能性もあります。
特に相手が未成年(中学生など)の場合、保護者が後から問題提起するケースもあるため、慎重な対応が求められます。
現場で通報しなかった場合のリスク
事故後にその場で警察に通報しなかった場合、後から通報されることで「ひき逃げ」や「事故の届け出義務違反」に問われるリスクがゼロではありません。特に相手が去ったからといって何もせずに現場を離れたことが記録されてしまうと、不利に働く場合もあります。
例えその場では穏便に済んだように見えても、相手が後から家族に相談し、警察に届け出ることは十分にあり得ます。
事故後にすべき「事後報告」とは?
事故直後に通報を逃した場合でも、できるだけ早く最寄りの警察署に自分から「事故があった」旨を届け出ましょう。これは「事後報告」という形になりますが、自主的な報告は警察に対して誠意ある対応と見なされ、処分の軽減や信頼性の担保につながります。
報告の際は、事故が発生した日時・場所・相手の特徴や会話内容、自分と相手の動き、被害の程度(車や体への損傷)などをできる限り詳しくメモして持参するとスムーズです。
事故に関する証拠を残しておく意義
その場で通報できなかった場合でも、ドライブレコーダーの映像が残っているのであれば、必ず保存しておきましょう。録画データは、万が一相手側からの主張に差異があった場合に有効な証拠になります。
また、現場写真や車両の損傷箇所などもスマートフォンで記録しておくと、後日のトラブル回避に役立ちます。
中学生や未成年との事故の注意点
未成年者と事故になった場合、本人の言動だけで安心せず、必ず保護者への連絡・確認が必要です。現場で名前や住所、連絡先などを聞けなかった場合は、やはり警察への通報が必要となります。
未成年の行動は親権者に責任があるため、保護者があとから「連絡も受けていない」「ケガがある」と訴えてくる可能性があり、加害者側の誠意が問われる場面にも発展しかねません。
まとめ:今からでも遅くない「自己申告」の重要性
その場で通報できなかったことに不安を感じているなら、すぐに警察へ「自己申告」することをおすすめします。軽微な事故だったとしても、あとから重大なトラブルへ発展するリスクを避けるためにも、記録と報告は非常に大切です。
事故の大小にかかわらず、冷静で誠実な対応を心がけることが、ドライバーとしての責任ある行動につながります。