大切にしていたブランドメガネを修理に出したところ、依頼していない塗装変更がされて戻ってきた――このようなケースは消費者として看過できない重大な問題です。特に「サムライ翔」のような高級フレームであれば、色やデザインも商品の本質的価値に直結します。この記事では、メガネ修理時の想定外の処理や塗装変更に対して、どのように対応し、弁償を求められるかを詳しく解説します。
依頼と異なる修理が行われた場合は契約違反の可能性
修理依頼時に「傷の補修」をお願いしたにもかかわらず、フレームの一部カラーが全体的に変更されて戻ってきた場合、それは修理内容の範囲を逸脱しており、民法上の「請負契約の不完全履行(債務不履行)」に該当する可能性があります。
特に、ゴールドとブラックのツートンカラーというデザインが価値の一部であるフレームの場合、色の変更は機能性だけでなく、審美的価値をも損なう重大な変更といえます。依頼者が合意していない仕様変更は、契約内容の履行とは認められません。
修理費の支払い義務はあるのか?
依頼した内容とは異なる仕上がりになってしまった場合、原則としてその修理費を支払う義務はありません。理由は明確で、契約内容通りの結果が得られていないためです。
たとえば、3mm程度の傷の補修を依頼したのに、フレーム全体が黒に塗装されてしまった場合、その結果を受け取る義務も、代金を支払う義務もないと考えられます。支払いを迫られたとしても「修理内容に納得できない」「依頼内容と異なる」と明確に伝えましょう。
店舗側が責任を取らない場合の交渉方法
電話で「申し訳ありません」の一点張りで具体的な提案がなされない場合、次のステップとしては書面やメールなど記録が残る形での対応を行うことが重要です。以下のような内容を伝えると効果的です。
- 修理前の状態(写真があれば添付)と修理依頼内容の確認
- 仕上がりが依頼内容と異なる旨とその影響(色が変わったことの具体的な損害)
- 希望する対応(元の状態への復元・代替品提供・弁償など)
それでも対応されない場合には、消費生活センター(☎188)への相談や、弁護士による内容証明郵便なども視野に入れましょう。
弁償を求めることはできるのか?
メガネが高額で、かつ取り返しのつかない加工がされた場合は、「損害賠償請求」が可能です。民法第415条に基づき、契約不履行によって発生した損害については相手方に賠償を求められます。
たとえば、サムライ翔のような5万円相当のフレームで、本来なら修理で済むはずの傷を勝手に塗装されて台無しにされた場合、元の価値を回復できない以上、実質的には「全損」とみなされる可能性もあります。その際は、商品代金相当の弁償を請求する根拠となります。
消費者として知っておきたいポイント
このようなトラブルを防ぐために、修理に出す際は必ず以下のような点を確認しましょう。
- 修理前の状態を写真に撮影しておく
- 修理依頼内容を書面やメールで明示しておく
- 「万が一元の色や形状に戻せない場合の対応」について確認する
- 高価なメガネの場合は、メーカー正規取扱店かどうかも重要
また、口頭のみの説明では後で「言った・言わない」になりがちですので、記録に残すことが最大の防御になります。
まとめ:依頼と異なる修理には堂々と異議を唱えよう
依頼していない塗装変更や、気に入っていたデザインを損なうような修理が行われた場合、それは立派な契約違反です。感情的にならず、冷静に証拠を残しつつ、消費者としての正当な権利を主張しましょう。
修理費の支払い義務はなく、必要であれば弁償請求も視野に入ります。一人で抱え込まず、必要に応じて消費生活センターや専門家に相談しながら適切に対応しましょう。