未成年でも美容や脱毛エステに興味を持つ方が増える中で、契約に関するトラブルも目立っています。特に信販会社からの高額な請求や、キャンセル・解約に関するやりとりで困っているという相談が多く寄せられています。この記事では、未成年のエステ契約が法的にどう扱われるか、支払いトラブルにどう対応すべきかを、具体的な事例を交えて解説します。
未成年者の契約は取り消せるって本当?
日本の民法では、未成年者(20歳未満。2022年以降は18歳未満)の契約は、原則として親の同意がなければ「取り消すことができる」とされています。つまり、たとえ自分の意思で脱毛などの契約をしても、保護者の同意がなければ無効にできる可能性があるということです。
例えば、19歳の学生が脱毛サロンで30万円の契約をし、保護者の同意書を出していない場合、その契約は未成年取消権によって取り消すことができます。ただし、すでに保護者名義で同意書を提出していた場合は取り消しが難しいため、契約時の書類を確認することが重要です。
利用していないのに請求が続くのはなぜ?
多くのエステや脱毛サロンでは、契約を交わした時点で信販会社(この場合はライフティなど)によりローン契約が成立しています。そのため、たとえ1回しか利用していなくても、契約期間中の支払い義務が継続しているとみなされます。
しかし、利用実態がないにもかかわらず、月々の請求額が急に増加したり、元の契約とは異なる高額請求をされた場合には、不当請求や契約違反の可能性もあります。このような場合は、信販会社とサロンの両方に契約内容と請求根拠を文書で求めるべきです。
脅されても支払う必要はある?違法な督促の見分け方
「今すぐ払わなければ一括で〇〇万円請求する」「裁判になります」など、強い言葉で支払いを迫られると不安になりますが、これは違法な取り立てに該当する可能性があります。特に以下のようなケースは注意が必要です。
- 請求額に明確な根拠がない
- 連絡頻度が高すぎる(1日何度も電話・メール)
- 家族や職場に知らせるといった脅し文句がある
これらの行為は貸金業法や消費者契約法に違反している可能性があり、支払い義務が発生していなくても不安を煽って払わせようとする手法です。消費生活センターや弁護士への相談が推奨されます。
適切な解約・返金の方法と相談先
エステや脱毛の契約は、一定期間内であればクーリング・オフ制度が適用できる場合もありますが、すでに経過している場合でも「中途解約」や「未成年取消権」などで対応できる可能性があります。
また、信販会社とのローン契約も併せてキャンセルする必要があるため、以下の手順で対処しましょう。
- 契約書や領収書、支払い明細を確認
- サロン・信販会社に書面で解約・取り消しの申し出
- 消費生活センター(188)へ相談
- 必要であれば弁護士の無料相談を利用
未成年であっても自分ひとりで抱え込まず、公的機関の力を借りることで解決の糸口が見つかります。
似たような被害に遭わないために気をつけること
今後、エステや脱毛契約をする際には、以下のようなポイントに気をつけるとトラブルを避けやすくなります。
- 保護者の同意が必要な年齢であることを理解する
- 複数回通う前提で契約する際は、総額と支払い条件を必ず確認
- 契約書の控えを必ず受け取る
- 強引な営業や「今だけ割引」などの圧力には乗らない
また、口コミや評判を事前に調べることも重要です。SNSやGoogleのレビューなどで信頼性を確認しましょう。
まとめ:未成年でも支払い義務があるとは限らない
未成年が親の同意なく結んだ契約は取り消せる可能性があります。信販会社やサロンからの強引な請求や脅しに屈せず、まずは契約内容を整理し、公的機関に相談してください。
「自分で契約したから仕方ない」と思い込まず、法律の保護を正しく使うことで不当な請求を止めることができます。特に若い世代は、消費者被害から身を守る知識を持つことが大切です。