交通事故の慰謝料はどう計算される?自賠責の仕組みと通院日数による支払い額の目安を解説

交通事故によってケガを負った場合、通院治療を続ける中で「慰謝料はいくらもらえるのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。自賠責保険では通院慰謝料の計算方法が明確に定められていますが、実際の支払い額はケースによって異なります。この記事では、自賠責による慰謝料の計算方法と注意点について、具体例を交えて解説します。

自賠責保険の通院慰謝料の基本計算式

自賠責保険における通院慰謝料は、以下のいずれか少ない方の金額が採用されます。

  • 4300円 × 実通院日数 × 2
  • 4300円 × 治療期間(日数)

たとえば、治療期間が60日で、そのうち通院したのが30日であれば、前者の計算(4300円×30日×2=25万8000円)が適用されます。一方で、通院回数が少なければ、後者の計算の方が高くなる場合もあります。

「通院日数 × 2」の意味とは?

この「通院日数×2」というのは、医療機関に通院した実日数の2倍を「通院慰謝料の対象日数」として扱うという考え方です。これは「毎日は通えないが、痛みや不便は継続している」という実態を反映するための措置です。

ただし、週に1回以下の通院など極端に少ない場合には、損保会社が「本当に痛みがあったのか?」と疑義を持つ可能性があり、認定に影響を与えることもあります。通院頻度は慰謝料額に直結するため、適切な間隔で通うことが重要です。

月ごとの通院回数に制限や縛りはある?

自賠責においては月ごとの通院日数に特別な「縛り」や上限はありません。したがって、1ヶ月に15日以上通っても、そのすべての通院が「実通院日数」としてカウントされます。

例えば、5月に2日、6月に20日通った場合、合計通院日数は22日なので、「4300円×22日×2=18万9200円」となります。通院日数が治療期間(日数)よりも少ない限り、原則としてそのまま計算に反映されます。

通院をやめるタイミングと慰謝料への影響

「もうあまり良くならない気がする」という理由で治療を打ち切る場合もありますが、それが慰謝料に与える影響も考慮するべきです。治療を早期に終了すると、それだけ治療期間が短くなり、結果的に「治療期間ベースの計算式」が採用される場合に不利になることがあります。

また、整形外科医から「治癒」または「症状固定」と判断される前に治療を中断すると、後遺障害認定を受ける際にも不利になる場合があります。判断に迷う場合は、必ず医師と相談したうえで通院継続の可否を決めましょう。

慰謝料を正しく受け取るためのポイント

慰謝料を正しく受け取るためには、以下のポイントが重要です。

  • 領収書や診療明細はすべて保管する
  • 通院日数と内容を日記やアプリで記録しておく
  • 通院の頻度が落ちた場合は、その理由を保険会社に説明できるようにする
  • 疑義が生じた場合には、弁護士などの専門家に相談する

損保会社とのやり取りが不安な場合、弁護士費用特約を利用すれば無料で相談・交渉代行してもらえることもあります。

まとめ:慰謝料計算の仕組みを理解して適切な対応を

自賠責保険による慰謝料は、「実通院日数×2」または「治療期間」のいずれか少ない方を基準に計算され、4300円単価で算出されます。通院回数が多い場合は、通った日数に応じてしっかり反映されます。

首の痛みなどが長引くと不安になりますが、慰謝料を適正に受け取るためにも医師と相談の上で通院を継続するか判断しましょう。不明な点は弁護士や交通事故相談窓口に相談することで、安心して対応できます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール