オンライン家庭教師が気をつけるべき著作権の落とし穴と合法的な教材利用法

オンライン授業の普及とともに、市販の問題集や参考書をどのように活用できるかについての著作権の疑問も増えています。特に家庭教師として活動する方にとっては、教材の使い方ひとつで違法行為となるリスクもあるため、正しい知識が不可欠です。

市販の問題集をコピーして使うのは違法?

基本的に、市販の問題集や教材を無断でコピーし配布・送信する行為は著作権侵害に該当します。特にオンラインでの授業では、スキャンして画像として送る、画面共有で表示するなども著作権上の「公衆送信」にあたる可能性があります。

個人利用にとどまる家庭内学習とは異なり、報酬を得る家庭教師業務での使用は私的使用の範囲を超えるため、権利者の許諾がない限りNGです。

一部改変した問題や図は使っても大丈夫?

市販の問題文や図をもとに、少し言い回しや数字を変えて「自作」として利用するのは注意が必要です。著作権法では「翻案」も権利者の許諾が必要とされており、オリジナルの著作物を元にアレンジしても著作権侵害と判断されるリスクがあります。

特に、問題の形式や出題意図、図の構成が類似していると、「本質的な表現をそのまま使っている」と解釈される可能性があるため、単なる改変では安心できません

では、どこまで作り変えれば合法?

合法的に利用したい場合は、「自作問題」としてオリジナル性を持たせる必要があります。例えば、参考書の形式だけを参考にしながら、内容・言い回し・数値・解説などすべてを自分の言葉で作り直せば、独自の著作物とみなされる可能性が高まります。

以下のような工夫が有効です。

  • 問題文のストーリーや背景設定を完全に変える
  • 図や表を一から自作する
  • 説明や選択肢を自分の表現で書き換える

著作権フリーの教材や公開資料を活用する方法

公的機関が配布する教材や、クリエイティブ・コモンズのライセンスに基づいた教材などを活用するのも一案です。教育向けに無料公開されている教材は多数あり、それらをうまく利用すれば、著作権の心配なく安心して授業が可能です。

例。

  • 文部科学省の学習指導要領関連資料
  • NHK for Schoolなどの教育番組素材
  • オープン教材(OER:Open Educational Resources)

トラブルを防ぐための実践的アドバイス

・教材をコピー・共有する際は、必ず出典と利用条件を確認
・一部利用でも、出典明記と引用ルールに従う
・市販教材は授業中に見せるよりも、生徒に事前購入を促す

・自作する際は、アイデアやテーマではなく「表現」を自分で構築する

まとめ:教育の自由と著作権のバランスを守ろう

オンライン家庭教師における教材利用は、教育の自由と著作権保護のバランスが重要です。市販の教材を無断で使用することはリスクがあり、単なる一部改変でも安心できません。トラブルを避けるには、オリジナル教材の作成や公開教材の活用が有効です。

著作権を正しく理解し、安心して教育活動を続けるためにも、日頃から素材の出典と権利について意識しておくことが大切です。

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