細い山道ですれ違い事故が起き、相手が動かずに接触した…そんな経験から「こちらの過失はゼロ、相手の過失は全て」という結論が本当にあり得るのか不安になる方もいるでしょう。本記事では実際の判例や交渉のポイントを通じて、過失割合の現実と対処法を整理します。
基本の過失割合は50:50
センターラインの無い狭い道路や山道では、同速度で進行し接触した場合、過失割合は原則「50:50」とされます。これは、双方に安全確認義務があると考えられているためです。
福島の弁護士のコラムなどでも実務上この割合が最も多く、両者に同程度の注意義務が求められるとされています。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
安全に停止していた場合は0:100も可能
一方の車両が完全に停止し、相手が何の回避行動もせずに進んできて接触が起こった場合、過失割合は相手側100:自身0となるケースも実際にあります。
横浜地裁令和3年11月判決では、「停車している車の側方を通過しようとした」側にのみ責任があるとの判断で、相手側の過失が100%と認められた例があります。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
停車のタイミングと証拠の重要性
停止と認められるには事故直前に急停止ではなく、少なくとも3秒以上停止していたことが求められます。直前停止では「停止」と認定されず、過失割合は修正されにくくなります。
また、ドライブレコーダー映像、現場写真、目撃者の証言、防犯カメラといった客観的証拠の有無が事故評価に大きく影響します。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
過失割合50:50から動かすためにできること
事故相手や保険会社が50:50を主張する場合、以下のような対応が有効です。
- 相手が動かず停止していた事実を客観的に示す
- 録画や写真などの証拠を整理して提示する
- 弁護士を交えて示談交渉を行う
相談の結果、自損自弁(自身の修理代は支払い、相手の損害は請求しない)の合意で解決するケースもあります。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
あなたの状況で10:0となる可能性は?
質問の内容では、あなたが道路左側に寄せて徐行し停止していたのに対し、相手が動かない状態で接触しています。このような状況では、実際に10:0となる可能性は十分にあります。
事故直後に警察対応で不利な印象を持たれたとしても、ドライブレコーダー映像と停止の証拠があれば過失なしの主張が可能です。
交渉と対応のポイントまとめ
要素 | 対応方針 |
---|---|
停止の証拠 | 録画や写真、防犯カメラなどを保存・提示 |
警察対応 | 事故証明を確保する(必ず通報) |
交渉手段 | まず相手保険会社と話し、納得できなければ弁護士対応 |
まとめ
狭い山道でのすれ違い事故では基本的に過失割合は50:50が基準ですが、あなたが停止していた状態で、相手が安全確認なく進んできたケースでは、裁判例でも10:0の判決が出ています。
大切なのは、停止状況や相手の挙動を客観的に証拠として残し、それをもとに保険会社・弁護士と適切に交渉することです。
落ち着いて証拠を整理し、自分に非がないことを明確に主張できれば、交渉を有利に進められます。