高齢の親が一人で暮らしていると、訪問営業や勧誘などの対応が大きな負担になることがあります。特にNHKやガス会社・電力会社など、外見だけでは公的か民間か判別しづらい訪問者への対策は重要です。本記事では、こうした訪問を効果的に防ぐための方法を解説します。
「セールスお断り」だけでは不十分な理由
玄関に「セールスお断り」「勧誘禁止」などのシールを貼っていても、法的強制力はないため、一部の業者や個人は無視して訪問してくることがあります。
特にNHKやガス・電力会社を装う場合、本人は「契約上必要」と正当化して来訪するケースもあり、粘られることも少なくありません。
NHKを確実に断るための方法
NHKとの契約が不要な場合(ワンセグなしのスマホ・TV設置なしなど)は、その旨を明確に伝えるか、玄関先に「NHK訪問お断り」と記載したステッカーを貼ると効果的です。
また、NHK撃退ステッカーは市販されており、「NHKから国民を守る党」などが無料配布していた時期もあります。ステッカーには心理的抑止力があります。
ガス・電力会社の訪問対策
自由化以降、ガス・電力の切替営業が増えました。中には悪質な勧誘もあります。こうした業者への対応策は以下の通りです。
- 電力会社は原則、契約書を郵送やネットで行うため、訪問による契約変更には応じない
- 「家族がすべての契約を管理しています」と説明し、対応を断る
- 録音・録画をしていることを告げると訪問者の多くは退散します
実際に、訪問時にスマホの録音機能を使って「録音しています」と伝えたところ、名刺も渡さずすぐに立ち去ったという例もあります。
インターホンとポスト周辺の対策強化
訪問者との接触自体を減らすには、インターホンのカメラ付き機種に交換し、直接対応せずに済ませることが大切です。外から声だけで対応することで、精神的な負担も軽減できます。
また、「訪問販売・営業勧誘お断り」の表示をポストやドアに複数掲示するのも効果があります。警視庁の悪質訪問販売の対策ページでも、表示の工夫が推奨されています。
高齢の親への周知と対応マニュアル作成
親御さん自身に「絶対に玄関を開けない」「その場で判断しない」などの基本ルールを丁寧に伝えることも重要です。声かけの文例や断り方をメモにして玄関付近に置いておくと有効です。
例えば「家族に確認してから対応しますので、名刺をポストに入れてください」と伝えるのが安全です。
困った場合の相談先
しつこい訪問や詐欺まがいの対応を受けた場合は、以下の相談先に連絡しましょう。
- 消費者ホットライン:188(いやや)
- 警察相談専用電話:#9110
- お住まいの自治体の消費生活センター
早期の相談がトラブル回避につながります。
まとめ:複数の対策を重ねて安心を確保しよう
ステッカーだけでなく、インターホンの活用や録音の予告、事前のルール共有など、複数の対策を組み合わせることで、高齢の親御さんを訪問トラブルから守ることができます。まずは家庭で話し合い、備えを整えていくことが大切です。