過去に職場で金銭に関する不可解な出来事があり、後になってから他人の不正が関与していたと知るケースは少なくありません。特に証拠がなく、被害額が曖昧な場合、どのように対応すべきか悩む人も多いでしょう。この記事では、法的観点・実務的対応・心のケアの3方向から考えていきます。
まず知っておきたい「窃盗」と時効の関係
刑法上の窃盗罪は親告罪ではなく、告訴がなくても捜査が可能な犯罪です。しかし、時効の壁があります。窃盗罪の時効は7年(刑事)とされており、5年前の出来事であればまだ刑事告発が可能な場合もあります。
ただし、証拠が乏しい場合や、加害者が既に処分された事実があると、警察も捜査に消極的になることがあるため、あくまで可能性に過ぎないことを理解しておきましょう。
LINEなどの連絡手段で問いただすべきか?
LINEで相手に連絡を取ることはできますが、証拠も確たる裏付けもない状態で問いただすのはリスクがあります。相手が逆上したり、逆に名誉毀損で訴えられる可能性もあるため、慎重に行動すべきです。
万一連絡を取る場合は、感情的な表現を避け、事実確認の形にとどめるようにし、記録を残しておくことが重要です。
民事訴訟での返金請求は可能か?
民法上の損害賠償請求権の時効は原則5年ですが、加害者の行為が最近まで明らかでなかった場合、時効の起算点が争点となる場合もあります。
証拠がない場合には、民事でも難易度が高くなるため、弁護士に初回無料相談を活用して状況判断をしてもらうことが現実的な第一歩です。
被害額の回復が難しいときの心の整理法
何より辛いのは「自分が被害者だったのに、証明できずに泣き寝入りしなければならない」無念さでしょう。その気持ちは当然であり、心に蓋をせず向き合うことが大切です。
当時の状況を整理して紙に書き出す、または信頼できるカウンセラーや友人に話すことで、少しずつ気持ちを整理していくことができます。
最近では、職場での不正体験や過去のモヤモヤを共有できるコミュニティやSNSもあります。同じ経験を持つ人の話を聞くだけでも、救われたという声も少なくありません。
同様のトラブルを防ぐために
今後同じような状況を避けるためには、仮払いや金銭のやり取りは必ず記録を残し、経理担当者や上司に都度確認を取る習慣を身につけましょう。
また、会社の管理体制に疑問がある場合には、異動や転職を視野に入れることも自分の身を守る手段となります。
まとめ
過去の職場での金銭トラブルは、証拠の有無や時効によって法的対応が難しいケースもあります。しかし、今後の自分を守るためにも、できることから整理し、必要があれば専門家に相談するのが最善です。
心の整理と同時に、同じような被害を防ぐための教訓とすることが、今できるもっとも現実的な対応かもしれません。