匿名質問箱「Peing」で発言者の開示請求は可能?費用・手続き・現実的な流れを徹底解説

ネット上の誹謗中傷や迷惑行為に対し「発信者情報開示請求」が注目されています。特に匿名投稿が可能な「Peing-質問箱-」のようなサービスでは、相手の特定が困難に思えるかもしれません。この記事では、Peingにおける発信者情報開示請求の可否、費用、実際にかかる時間や手続きについて、法律の専門家の知見を踏まえ詳しく解説します。

Peingのような匿名サービスでも開示請求は可能なのか

結論から言えば、匿名であっても開示請求は可能です。ただし、「違法性が明白である投稿」や「被害の発生」が前提となり、明らかな誹謗中傷や脅迫などの行為が必要とされます。

Peingでは投稿者はログイン不要でも、IPアドレスや端末情報などが記録されており、運営元(ジラフ社など)に対して発信者情報の開示請求を行うことが法的に可能です。ただしその情報は投稿者個人にたどり着くまでに複数のプロバイダを経由するため、手続きは一段階で済むとは限りません。

「5分・0円」でできるというのは本当か?

「5分で終わる」「0円でできる」といった主張は極めて誤解を招きやすい表現です。正確には、弁護士への無料相談が可能なケースや、初期の通知書作成を代行してくれるツールはありますが、それで全てが終わるわけではありません。

実際には、開示請求には以下のような流れと費用が発生します。

  • ①弁護士費用:約5万円〜20万円(着手金+成功報酬)
  • ②裁判所への手数料:数千円〜1万円程度
  • ③プロバイダ開示のための仮処分:別途裁判所申し立てが必要

これらをすべて自己対応するのは非現実的で、結果的に無料や即時対応とは言えないのが実情です。

実際の手続きの流れ

1. 弁護士に相談し、違法性・証拠の有無を確認
2. Peingの運営会社に対し、任意の開示請求を行う(まずは書面等で連絡)
3. 応じない場合は、東京地裁などに発信者情報開示の仮処分申立て
4. 開示されたIPアドレスの通信記録から、プロバイダへ再度開示請求
5. 最終的に住所・氏名が特定された場合、損害賠償請求へ移行

この流れは一般に数ヶ月単位でかかり、迅速ではありません。プロバイダの通信記録保存期間(概ね3〜6ヶ月)を過ぎると開示が不可能になるため、早めの対応が肝要です。

開示請求に成功した実例

過去には、X(旧Twitter)や5ch、匿名掲示板の投稿に対し、開示命令が裁判所から出された事例があります。特に芸能人や著名人のケースが報道されやすいですが、一般人の請求も認められた例は複数あります。

たとえば、「質問箱での名誉毀損的な投稿」が開示の対象となり、投稿者のIPアドレスやユーザーエージェント等が開示され、損害賠償が認められたケースもあります。[参照]

発信者開示請求の成功率を上げるために

・まずは証拠の保存が最優先(スクリーンショット、URL、日時など)
・弁護士に早期相談(ネットに強い法律事務所を選ぶ)
・開示請求の対象が明確な場合(誹謗中傷・脅迫など)は成功率が高い

投稿者の特定に時間がかかるため、投稿から早いタイミングで証拠を確保し、行動に移すのが重要です。

まとめ:Peingでも法的対処は可能だが、無料や即時ではない

・Peingのような匿名サービスでも開示請求は可能
・「5分」「0円」は誤解、実際には時間も費用もかかる
・専門家(弁護士)に相談し、早期の証拠保存と法的対応が鍵
・開示後は損害賠償や投稿削除請求も視野に入る

インターネット上の匿名性は完全ではありません。もし誹謗中傷や違法行為に悩まされている場合、専門家の力を借りることが最善の解決策です。

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